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予算10万円ならどれがお得?窓断熱の5つの方法を比較してみた【窓#3】

【窓:#03】予算10万円ならどれがお得?窓断熱の5つの方法を費用対効果で比較してみた

窓シリーズの流れ

命の危険を感じた浴室の寒さ→3月からでも断熱を検討したい

こんにちは。Mr.Tボーンです。いや~今年の冬は大変でした。当社がある福井県は大雪に見舞われ、様々な場面で「普段の生活」ができない状態。築50年の日本家屋である拙宅も、屋根雪の重みで潰れるんじゃないかとハラハラしました。何とか持ち堪えたので良かったのですが。

しかしそれにしても、今年の寒さは例年と違いました。寒気が骨身にしみて容赦なく体力を奪います。特に風呂では、脱衣時に心臓がギュッと縮まる感覚がありました。私が心底思ったのは、やはり断熱が大事だということです。

もちろん建材ダイジェストで記事を書く中で、断熱性については何度も考える機会があります。しかしそれらは他人事という訳ではありませんが、我が身に迫る出来事とまでは捉えていなかったように思います。この冬の体験で、住宅の断熱性は命に関わるものであることを痛感した次第です。

「今年の反省を踏まえて、来年の冬に備えよう」この気持ちが消えない今の内に、自宅の窓断熱を検討します。

家の断熱はどこから始める?→住宅の熱損失は窓が約55%!

さて、自宅の断熱で最初に考えるべき場所はどこか。調べた結果、であることが分かりました。

冬、室内の暖房熱は開口部から逃げていきます。これを「熱損失」と言いますが、熱損失全体の約55%を占めるのが窓。窓から失われる熱が最も多いのです。逆に言えば窓の断熱性を高めることが、最も効果が大きいということです。では、窓の断熱にはどのような方法があるのでしょうか。

窓の断熱方法は5つ

私が元々知っていた方法は3つ。内窓の設置、ペアガラスへの交換、断熱性の高い窓への交換、この3つです。また、プチプチ (気泡緩衝材) に断熱効果があることも漫画で分かりました。↓

大体この4つくらいかなと考えていたところ、当社に「断熱フィルム」に関するプレスリリースが届きました。ガラス面に貼って断熱効果を得るフィルムがあることを、このとき知りました。

内窓、ペアガラス、窓交換、プチプチ、断熱フィルム。これらは施工する窓の条件や予算によって、できるものとできないものがあります。それを具体的にお伝えするために、私の家にある風呂場の窓に使うことを想定して調べました。

Tボーン宅の浴室窓
風呂場の窓ガラスの断熱効果を高めたい

  • 窓の種類 : 引き違い窓 2枚建て アルミサッシ
  • ガラスの種類 : 昭和型板ガラス「ハイウェイ」
  • サイズ
    →窓枠 : 横1230mm × 縦880mm
    →サッシ : 横625mm × 縦880mm
    →ガラス (サッシ除く) : 横580mm × 縦800mm
    →サッシ幅 : 16mm
  • 予算 : 10万円未満

これを踏まえたうえで、5つの方法を「ガラスの断熱」と「窓全体の断熱」という2グループに分けて、表にまとめました。

ガラスの断熱

方法 価格 施工時間
1 : プチプチ(気泡緩衝材) 690円~ 10分
2 : 断熱フィルム 4,500円 30分未満
3 : ペアガラス 59,200円、115,800円 (施工費込み) 30分~60分

窓全体の断熱

方法 価格 施工時間
4 : 二重窓 50,000円~60,000円程度 (施工費込み) 60分程度
5 : 窓自体の交換 約100,000円~ 半日

この条件では、5つの内どれが可能でどれができないのか。以下、1つずつ見ていきましょう。

ガラスの断熱

1 : プチプチ (気泡緩衝材)

プチプチによる窓の断熱

最も手軽な方法として「気泡緩衝材」、いわゆる「プチプチ」を窓に貼ることが挙げられます。

断熱をするためには、空気層を作らなければいけません。プチプチにはたくさんの粒があり、それが空気層となって断熱効果を出します。潰してしまうと層が失われるので、潰したい気持ちを気持ちを抑えて窓に貼ると良いですよ。

「プチプチ」や「エアキャップ」「エアークッション」といった名称で、各種通販サイトで売られています。私が見た中で最も安かったのは楽天のプチプチでした。

プチプチ (気泡緩衝材) のデータ

  • 販売サイト : 楽天やAmazonなど各ネットショップ
  • 価格 : 690円 (税込み、送料無料、Tボーンが確認した最安値)

上記のプチプチは、梱包材として使われる普通のプチプチです。ところが調べていくと、窓に貼る断熱専用のプチプチがありました▼

窓用断熱プチプチ「ミズペタプチ」
引用元 : 楽天
閲覧日 : 2018年3月23日

窓用断熱プチプチのデータ

こちらのプチプチは、窓に霧吹きで水をかけることで、その上から貼れます (普通のプチプチは両面テープなどで貼る)。ただし乾燥しにくい所や凹凸のあるガラスには貼れないので、私の浴室窓には使えません。普通のガラスを使っている、リビングや居室の窓に使ってみようと思います。

なお私は初めて知ったのですが、「プチプチ」は川上産業株式会社の登録商標です。

2 : 断熱フィルム

窓の断熱に「断熱フィルム」

断熱フィルムを貼り付けている様子。右側の硝子には既に貼ってあります。

写真提供 : 日本エコ断熱フィルム株式会社

断熱フィルムは、窓に貼り付けるだけで断熱効果を発揮する製品です。日本エコ断熱フィルムは、断熱フィルムの販売や施工を行う会社。上の写真もこの会社で販売しているフィルムです。フィルムに霧吹きで水を吹きかけて、窓に貼ります。

断熱フィルムのデータ

  • 販売サイト : 日本エコ断熱フィルム
  • 価格 : 4,500円 (税別)
    <内訳>
    → 断熱フィルム (初回限定お試し版)、60cm × 120cm = 1,000円
    → 断熱フィルム (通常品)、90cm × 120cm = 2,500円
    → 送料 = 1,000円

下記動画では、断熱フィルムとプチプチの断熱性を比較しています。
プチプチと断熱ミラーフィルムを比べた実験

動画では、プチプチを貼ったガラスと断熱フィルムを貼ったガラスを用意し、どれだけの熱が外に逃げるのかを比較していました。動画の結果ではプチプチの方が約3度、多くの熱が逃げていました。このことから、プチプチよりも断熱フィルムの方が断熱に優れることが分かります。

ただしこちらも窓用プチプチと同じく、デザインガラスなど表面に凹凸があるガラスには貼れません。私は昭和型板ガラスを使っているので、残念ながら使えませんね。リビングなどに貼ろうと思います。

▼こちらのブログでは、断熱フィルムの貼り方を動画で紹介しています。
2分で出来る。外から見えない遮熱フィルムと結露防止フィルムのカンタン貼り方

3 : ペアガラス

ペアガラスは窓の断熱としてポピュラーな方法です。しかし従来のペアガラスには、難点がありました。ペアにするとガラスの幅が広くなるため、既存のサッシに入らないのです。

そのためペアガラスにするには、窓 (サッシ) 自体を交換する必要がありました。それだったら、後にご紹介する内窓を取り付けた方が費用も手間もかかりません。では、ペアガラスは断熱方法として使えないのでしょうか。

実は私は、そうした難点を克服した商品を以前から知っていました。以下ご紹介していきましょう。

既存サッシに嵌められる「スリムペア」「スペーシア」

スリムペアは薄いペアガラスです。
スリムペア (または「ペアガラス スリムタイプ」) は、既存のサッシに嵌めることを目的としたペアガラス。幅がスリムになったので、今使っているサッシにそのまま入れることが可能です。前回の記事で分解した窓も、このスリムタイプです。

スリムペアのデータ

ここで1つ注意点があります。上記の価格は、私の浴室窓ガラスのサイズで問い合わせたもの。しかしガラスはサッシに埋まった部分があり、正確なサイズを測るにはサッシから取り外さなければいけません。

DIYをする人ならできるかもしれませんが、私にはちょっと大変そう。正確な見積りをするためには、ガラスを注文する業者に現場診断をしてもらう必要があります。値段は、あくまで目安として考えてください。

▼また、スリムペアよりも断熱効果を高めた「スペーシア」という商品もあります。この製品でも見積りをしてみました。

スペーシアのデータ

窓全体の断熱

ここまではガラスに焦点を当てた断熱方法をご紹介しました。ここからは窓全体が関わる方法を見ていきましょう。

4 : 二重窓を設置する

二重窓で断熱性を高める
二重窓 (内窓、外窓) は、施工費まで含めてどれくらいの費用で設置できるのでしょうか。調べる中でまず目に付いたのがネット販売。「エクスショップ」というサイトでは、各メーカーの二重窓製品を、施工とセットで販売していました。

自動見積り機能があるので、窓のサイズを入力すれば、施工費を含めた大体の値段が分かります。「大体の」という表現にしたのは理由があります。

とあるガラス販売業者に、二重窓について問い合わせました。すると「窓のサイズだけでは正確な見積りが出せない」との回答でした。二重窓の施工には現場診断が必要で、枠が歪んでいないか、錠の位置はどこか、など細かく確認しなければいけないとのこと。これはエクスショップでも同じです。

そのためサイズを伝えた段階での見積りは、ペアガラスと同じく概算になります。ちなみにエクスショップで主要メーカー3社の製品を、私の浴室窓のサイズで自動見積りしてみました。加えて、問い合わせたガラス業者でも見積りを依頼。それら4つを平均した金額は、51,209円 (小数点切り捨て) でした。

内窓のデータ

現地の調査を踏まえないと正確に言えない部分はありますが、二重窓も私の浴室に施工できますね。

5 : 窓 (サッシ) そのものを交換する。

窓の断熱方法としては、これが最も本格的。各メーカーの製品で「サッシ」という場合、ガラスも含めた窓そのものを指します。「断熱サッシ」といえば、樹脂サッシ + ペアガラスもしくはトリプルガラスで、断熱性を高めた窓製品になります。

これはもう本気でリフォームをする人、もしくはこれから新築する人向けの選択肢でしょう。何しろ窓自体を施工するためには、それに合わせて窓周りも工事しなければいけない場合もあります。

価格もこちらのサイトによれば、おおよそ10万円~20万円かかります。もちろん条件次第でこれ以上の値段になることも。

予算 (10万円未満) をオーバーしているので、私の場合は二重窓を選びます。我が家は築50年ですから、サッシを丸ごと交換するのは、老人にメスを入れるようで何となく気が引けます。

もちろん断熱サッシ製品には、機能的にもデザイン的にも優れたものがたくさんあります。本気で断熱に取り組みたい方は、各社WEBカタログなどを見てみるのも良いでしょう。

まとめ

ここまで5つの方法を見てきました。価格はすでに記載しましたが、断熱効果についてはどうでしょうか。とある一級建築士事務所のサイトを参考にして、先述のガラス販売業者にも確認。これらを踏まえて、価格と効果について下記の表にまとめました。

断熱方法 自宅の浴室窓に施工できる? 価格 施工時間 効果(Tボーン取材結果) 採用したい度合
1 : プチプチ(気泡緩衝材) 690円~ 10分
2 : 断熱フィルム × (昭和型板ガラスには貼れないため) 4,500円 30分未満 ★★ ×
3 : ペアガラス 59,200円、115,800円 30分~60分 ★★★
4 : 二重窓 50,000円~60,000円程度 60分程度 ★★★★★
5 : 窓自体の交換 約100,000円~ 半日 ★★★★

・自宅の窓に施工できる?

1 : プチプチ(気泡緩衝材)
2 : 断熱フィルム × (昭和型板ガラスには貼れないため)
3 : ペアガラス
4 : 二重窓
5 : 窓自体の交換

・価格

1 : プチプチ(気泡緩衝材) 690円~
2 : 断熱フィルム 4,500円
3 : ペアガラス 59,200円、115,800円
4 : 二重窓 50,000円~60,000円程度
5 : 窓自体の交換 約100,000円~

・施工時間

1 : プチプチ(気泡緩衝材) 10分
2 : 断熱フィルム 30分未満
3 : ペアガラス 30分~60分
4 : 二重窓 60分程度
5 : 窓自体の交換 半日

・効果 (Tボーン取材結果)

1 : プチプチ(気泡緩衝材)
2 : 断熱フィルム ★★
3 : ペアガラス ★★★
4 : 二重窓 ★★★★★
5 : 窓自体の交換 ★★★★

・自宅の浴室窓に採用したい度合い

1 : プチプチ(気泡緩衝材)
2 : 断熱フィルム ×
3 : ペアガラス
4 : 二重窓
5 : 窓自体の交換

断熱効果を考えると、二重窓が最も良い方法だと判断できますね。ペアガラスや窓交換より安いのもポイント。しかし二重窓は本格的な施工が必要なので、当面はプチプチで様子を見ようと思います(笑)。

▼ちなみに、こちらの記事では二重窓 (内窓) 製品を特集しています。内窓の商品が詳しく紹介されているので、内窓を検討する際の参考になりますよ。

▼また下記記事にて、内窓を実際に施工した様子もご紹介しています。工事の様子が写真で分かりますよ。

建材ダイジェスト 編集部

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