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最高級の床仕上げ、漆職人による拭き漆施工の手順

拭き漆施工の様子

―このような方に特におすすめの記事です―

  • 本物志向で、和の床をお探しの方
  • 古民家リフォームを検討中の方

―これまでの流れ―

  1. 【漆#1】時が経つ楽しみ、拭き漆(ふきうるし)
  2. 【漆#2】職人技の拭き漆、室内空間に極上を。
  3.  最高級の床仕上げ、漆職人による拭き漆施工の手順 ←いまここ

最高級の床仕上げである拭き漆

木目の美しさを最高に引き立て、使い続けるほど深みと耐久性が増す、最高級の床仕上げです。

現場は、築250年を超える古民家リフォームの案件でした。

平屋で1階部分のみの施工。拭き漆面積は床22坪、上がり框等を含めると25坪でした。四間囲い(田んぼの「田」のような間取り)で、襖を外すと1つの空間になります。自宅で結婚式や葬式を行えるよう昔ながらの間取りだそうです。


少々雑然としていますが、玄関部分のお写真です。床材を張る前の合板下地が見えています。

拭き漆の施工方法は2パターンあり、今回は「2.」です。

  1. 塗装前の床材を合板下地に張った後、その場で職人が拭き漆仕上げを行うパターン
  2. 張る予定の床材に、あらかじめ拭き漆を済ませておき、拭き漆済みの床材を下地に張っていくパターン

「2.」の場合床材をカットすることで、板材に白い木口面がでてくるため職人が出張して拭き漆を行います。

▼参考記事:今回使われた拭き漆の床材ができあがるまで

漆は油があると乾きにくいので、床の間は脱脂作業が重要

床の間の拭き漆は脱脂が重要
漆は油があると乾きにくいため、仏壇を設置する床の間では脱脂作業が必要です。これは、ろうそくや線香などの油が日常的に使われる場所だからです。

拭き漆(床の間)
床の間の拭き漆。なかなか乾かず、苦労した部位だったそうです。ここでは板を張らずに直接漆を塗っています。

職人3名で、計2日間

拭き漆
6月・7月の計2回にわけて拭き漆を行いました。

縁側部分の拭き漆
拭き漆の板材をカットして大工さんが張りました。板を切る際の木くずが肌につき、漆にかぶれた大工さんもいたそうです。


漆をのせているところ。

拭き漆施工の様子
希釈した生漆(きうるし)を刷毛で塗り、布で拭く工程を繰り返します。


全体的に拭き漆を行います。板材には計5回の拭き漆が行われており、今回を含めると計6回の重ね塗りを行ったことになります。回数が増える分塗膜も厚くなるため、耐久性と深みが増します。

雰囲気が一気に変わってきます。

拭き漆後の上がり框。ツヤと深い色合いがきれいです。

アフターのお写真はここまで。数年後の色合いの変化も取材したいところです。

拭き漆の特長

  1. 一般の塗料と比べ劣化がおきにくい
  2. 木がやせない
  3. 何世代にもわたって色合いが落ちない

まとめ:クオリティか、コストか

お施主さんは80歳ぐらいの方で、拭き漆にするか一般塗装にしようか最後まで迷われたそうですが、仕上がりを見て「やっぱり拭き漆にしてよかった」とおっしゃったそうです。

一般塗料の床仕上げに比べ、価格差が100万円ほど出るものの(25坪ほどの場合)、今後のメンテナンスがほぼ不要(例:木が痩せず塗膜も丈夫なので、フローリングの張替えリスクがほぼない)になることも踏まえ、拭き漆に決めたそうです。

手がけた職人はこう語ります。

―「1つ1つの現場に愛着があります。私の命が尽きるまで、ずっと気にかけています。

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武澤 拓也

武澤 拓也編集長

1985年8月2日生まれ。福井県出身。 最近、横山光輝さんの三国志にはまる。「あっ」「うっ」「ぐえっ」といったセリフのコマが好き。
武澤 拓也のプロフィール

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