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OAフロアって何?配線スッキリ、デキるオフィスに大変身!

OAフロアとは?

こんにちは、ライターの東です。

以前、友人のホームページ制作会社が事務所を移転するということで、引っ越し作業を手伝いました。移転といっても空きテナントへの入居だったため、床から天井まで自分たちで全て改装。

床の改装をしながら部屋のレイアウトをみんなで考え、なんだか私までワクワク♪……が、しかし!

どう考えてもインターネット回線のルーターからみんなのPCまでが遠い!どうしてもLANケーブルが床を這ってしまう。
光回線の取り出し口は部屋の隅にあり、デスクを置きたい場所はその対角上にあったんです。そのため、配線をどうにかしてデスクまで伸ばさなければいけません。床をずーっと走るLANケーブル。

「なんか、ダサくね!?」
私の一言で凍りつくメンバー。

結局、天井にフックで固定してLANケーブルを伸ばしたのですが、新事務所ならもっとスッキリさせたかった!というのが本音です。

そこで、今回はオフィスの配線処理に困っている方へ!配線を床下にスッキリ隠すことができるOAフロアのご紹介です。

OAフロアってなに?って人も、OAフロアを知っているけど導入していない人も、今回はOAフロアの種類と特徴についてご紹介します!OAフロアで配線スッキリ、美しく機能的なオフィスを作りましょう♪

1. OAフロアとは、床下に空間をつくり二重化したフロアのこと

OAフロア
OAフロアとは、床下に空間を設け、床を二重化したフロアのこと。フリーアクセスフロア・床上げとも呼ばれています。床を二重化する目的は、床上に乱雑になりがちなネットワーク配線(パソコンの電源・LANケーブルなど)を床下空間にまわしスッキリさせるためです。

パッと目につくものではありませんが、オフィスのほか、商業施設・工場・学校など配線が必要な場所で多く使われています。最近のビルではOAフロアにする前提で設計されているものもあります。

「でも、入居するビルは古いものでOAフロアになってないし…。」といった場合でも、今ある床上から施工できるOAフロア材も登場しています。

1-1. OAフロアの5つの効果

OAフロアの効果をまとめると、次の5つが挙げられます。

【OAフロアの5つの効果】

  1. 見た目がスッキリ
  2. 部屋のレイアウトが自由
  3. 仕事の効率アップ
  4. 転んでケガ&データが飛ぶトラブル防止
  5. 掃除がしやすい

学校にパソコン室ってありましたか?(これで年齢がバレるかも…。笑)PCが多く並んでいたものの、配線がフロア上にごちゃごちゃしていることはありませんでしたよね。このように。まず見た目がスッキリします。

オフィスにおいても同様で、電話・FAX・パソコン・プリンタなどのOA機器や空調設備を多数使用するケースも、OAフロアが選ばれます。配線の取り出し口を変更できるので机やパソコンのレイアウト変更も自由。物がスッキリ片付くので仕事の効率アップも期待できます。

また、配線が綺麗に片付くことで、床を横断している配線に足を引っ掛ける事も無くなり安全。また「足を引っ掛けてデータが飛んじゃった!」なんてトラブルも防止できます。

さらに、床がスッキリするので掃除も楽チン。机やプリンターの下もそのまま掃除機を入れられるため、綺麗好きな人にもおすすめ。

2. OAフロアはおおきく2種類ある

このOAフロアはおおきく次の2種類があります。

【OAフロアの種類】

  1. 置いて敷くタイプ(「置き敷きタイプ」と呼ばれる)
  2. 高さを調整できるタイプ(「レベル調整タイプ」「支柱調整式」などと呼ばれる)

何がどう違うのでしょうか?その特徴はどうなんでしょうか?

2-1. 置いて敷くタイプ

置敷きタイプOAフロア
置き敷きタイプのOAフロアは、あらかじめがついたタイプです。既存の床にクッションシートを広げ、その上にOAフロアパネルを敷き詰めるだけで施工は完了。

あとは上からタイルカーペットやフロアマットを敷けば、スッキリ綺麗に配線を隠したオフィスが出来上がります。

サイズは250mm角~500mm角、高さは40~100mm程度のものが多いです。

2-1-1. 置き敷きタイプの特徴・メリット

置き敷きタイプは樹脂製が多く、1つ1つが軽量なのが特徴です。費用も比較的安価

本体重量も軽く女性もDIYできますし、中の配線を変更したい場合も簡単にOAフロアを取り外せます。

さらに、最初から脚がついているものなので高さの水平調整は必要なし。いちいち水平器で測る手間もありません。

2-1-2. 置き敷きタイプのデメリット

樹脂製なのでどうしても対荷重に制限があります。重いものを載せると変形することもありますし、最悪の場合は脚が折れるリスクも。

脚つきのフロアパネルなので、OAフロアを施工したい床自体が歪んでいる際にはその影響を受けます。コンクリートやモルタルなど、下地が水平に作られていない場合はOAフロアも水平に施工できません。その場合には、下地処理が必要。

また脚が一体化しているため高さ調整をする必要はありませんが、逆に言えば高さの変更ができません。さらに

  • 社員数が増えて、床下を通す配線が増えた
  • 今までより太いパイプを床下に通したい
  • 大型機械を床下に入れたい

といった場合はOAフロア材を別のものに変更する必要も場合によっては出てきます。

パーツ1つ1つには大小の溝や穴があるため、上に敷くカーペットによっては歩き心地が悪くなったり、カーペットに跡が浮き出てきたりする可能性もあります。

置き敷きタイプのまとめ

【メリット】

  • 樹脂製のものが多く比較的安価。
  • 重量が軽く、女性や子供もDIYできる。

【デメリット】

  • 高さの調整ができないので、傾斜のある床に施工するのは不向き。
  • 高さの制限があるので、大型のものを設置することはできない。

実際の施工方法はこちらの記事をご覧ください。

2-2. レベル調整タイプ

レベル調整タイプ
レベル調整タイプは、フロアの板とそれを支えるが分離しているタイプのものです。高さが調整できる支柱の上にパネルを乗せるので、置き敷きタイプよりも高さを出せます。太い配線やパイプなどを床下に通したい時におすすめです。

2-2-1. レベル調整タイプの特徴・メリット

レベル調整タイプは支柱の長さが調整式なので、空間の体積を自由に変更できます。配線が少なければ支柱の長さを縮めて空間を広くできたり、逆に配線が多ければ支柱を伸ばすことが可能です。

パネルの素材は金属製のものが多く、対荷重に優れています。さらに、メーカーによってはパネルの中に硬質モルタルを重鎮したタイプも販売されています。

金属製なので耐火性に優れ、モルタルが入る場合は防音効果も高まります。床下に配線を通す役割だけでなく、断熱・防音効果も期待できるOAフロア材といえます。

またしっかりとした調整式支柱の上にパネルを載せるので、OAフロア自体のぐらつきが少なく歩行時の安定性があります。高さに段が生じる場合も支柱を調整して高さを揃えることも可能。

どうしても歩行時のぐらつきが気になる方は、支柱にゴムシートを施工することも可能。ゴムがぐらつきを吸収してくれ、歩行時の安定性をより高められます。

2-2-2. レベル調整タイプのデメリット

金属製のパネルを使用するので、どうしてもパーツ1つ1つが重くなります。

施工するビルによっては建物自体の積載荷重に問題が出てくる可能性もあり、ビルの傾きや劣化を早める原因にもなりえます。レベル調整タイプのOAフロアを施工する時は、OAフロア自体の重さも考慮しなければいけませんね。

施工は置き敷きタイプとは異なり、DIYで素人が施工するのは非現実的です。

レベル調整タイプのまとめ

【メリット】

  • 金属製が多く、樹脂製の置き敷きタイプよりも耐荷重に優れる
  • モルタル入りの場合、断熱・防音効果も
  • 高さ調整ができるので、床下に大型配線も収納可能。

【デメリット】

  • 材料1つ1つに重量があるので、建物自体に積載荷重がかかる。
  • 材料が重いため、DIYでの施工は不向きなものが多い

3. OAフロアの製造メーカーと実際の製品は?

実際にはたくさんあるのですが、今回はそのうち5社を独自にピックアップしてみました。

3-1. ステップライン株式会社

パーテーションやOAフロアを専門に扱っているステップライン株式会社。他の会社に比べて種類が豊富。

3-1-1. 置き敷きタイプ「BF/BFHシリーズ」

置敷きタイプ
一般的に樹脂製の置き敷きタイプは対荷重が300kg(3000N)のものがほとんどのなか、BF/BFHシリーズは樹脂製なのに対荷重400kg(4000N)であるのが大きな強み。製品の重さも約7kg〜約9kg/㎡に抑えています。脚の高さは25mm〜50mm。対荷重400kgのBFHシリーズの場合、1㎡あたり2,380円。

3-1-2. レベル調整タイプ

レベル調整タイプ
ステップライン株式会社でもレベル調整タイプのOAフロアが販売されています。

支柱の高さが50mm〜500mmで設定でき、大量の配線や空調機器まで床下に設置できるような設計となっています。

また、上に敷くパネルは金属パネルの中にモルタルが重鎮されているものなので、断熱性・防音性に優れています。今までにない機能を備えたOAフロアが設計できますね。

さらに、支柱にも一工夫あり。支柱とパネルの間にゴムシートがセットされているので、パネルのぐらつきがありません。ぐらつきを防止することで床を上げていても自然な歩行感を保つことが可能になっています。

3-2. 共同カイテック株式会社


こちらは超高強度軽量コンクリート製のOAフロアをラインナップにもつ会社。納入実績1,300万㎡を突破し、材工セットのサービスを提供しています。

3-2-1. 置き敷きタイプ : 超高強度軽量コンクリート製 ネットワークフロア29/40

最大の特長は超高強度軽量コンクリート製であること。そのため耐久性が樹脂製よりも強く、普通の床に近い歩行感を実現できる製品です(耐荷重は5000N)。

高さは29mmと40mmと低床型のラインナップで、既存の古いビルで高さがとれないリフォーム案件に特に人気。50㎡規模の案件から20,000㎡を超える案件まで幅広く対応できます。

▼ネットワークフロア
http://www.ky-tec.co.jp/oa/

3-3. ナカ工業株式会社

ナカ工業株式会社は、様々な種類のOAフロアを販売しています。

3-3-1. 置き敷きタイプ : DFシリーズ

ナカ工業の置敷きタイプOAフロア

引用 : ナカ工業株式会社DFシリーズ
引用日 : 2017年8月30日

ナカ工業が販売している置き敷きタイプの「DFシリーズ」は樹脂製のOAフロアです。

置き敷きタイプは、床に敷き詰めるだけなのでどうしても使用する時のズレが気になりますが、DFシリーズはズレ防止の溝があるのが持ち味。特殊な連結パーツは使用せずズレを防止するため、パネル1枚1枚の切り欠きが互いをがっちり固定してくれます。

また、配線の取り出しができるように、パーツの隅にあらかじめ配線取り出し用の穴が空いているのも嬉しいポイントです。

3-4. フクビ化学工業株式会社

フクビ化学もOAフロアの販売も行っています。

3-4-1. レベル調整タイプ : LM3000

LM3000

引用 : フクビ化学LM3000
引用日 : 2017年8月30日

LM3000は木製パネルが使用されている珍しいOAフロアです。

支柱部分は樹脂で作られているのですが、上から被せるパネルは木製。床に適度な弾力性を保つことができるので歩いていても疲れにくく、快適な歩行感を生み出します。

対荷重も3000Nと丈夫に作られているのですが、木製なのでどうしてもAOフロアそのものの重さが発生してしまいます。積載荷重を考慮すると、木製というだけで選択するのは難しいかもしれません。

3-5. SENQCIA(センクシア株式会社)

SENQCIAもOAフロアや構造部材を販売している会社です。OAフロアというよりも「フリーアクセスフロア」として販売しています。(名前が違うだけで同じものを指します。)

3-5-1. レベル調整タイプ : ウッドコアスチールフロア

ウッドコアスチールフロア

引用 : SINQCIAウッドコアスチールフロア
引用日 : 2017年8月30日

ウッドコアスチールフロアは、人と環境に優しいウッドコアを使うことでCO2固定化に貢献するエコ商品。また、軽量なので積載荷重に対しての心配も少ないですし、金属やコンクリート製のパネルに比べ加工性に優れています。

ウッドコアのおかげで、他の金属製パネルでは味わえない歩行感を実現したOAフロアです。

ただ、こちらの商品も床の高さは50mm〜しかありません。扉や他の床との兼ね合いを気にする方は全面改装が必要になるかもしれませんね。

参考 : フリーアクセスフロア工業会(JAFA)という団体もある

フリーアクセスフロア工業会という団体もあります。会員企業一覧ページをみると20社ほどありました。

4. OAフロアの施工事例

実際の施工事例を見てみましょう。今回は置き敷きタイプ、レベル調整タイプ、それぞれ1件ずつご紹介します。

4-1. 置き敷きタイプの事例

神奈川県横浜市にあるオフィスでのOAフロア設置工事です。

工事前はモール処理された配線が床上にありましたが、モールにつまづいたり断線したりする可能性があるため、オフィスのレイアウト変更に合わせてOAフロア工事を実施した事例です。

置敷き施工前
写真のように床に不陸があるため、そのままOAフロアを設置できないため下地処理を施しました。

この上に樹脂製の置き敷きタイプOAフロアを並べて…

OAフロア設置
この通り、床全面にOAフロアを施工。右奥に見えているのは施工途中のOAフロアですね。パネルを並べていくだけなのでDIYでも施工できそうです。

柱周りに隙間があると思いますが、こういった隙間はOAフロア自体をカットして施工します。樹脂製なのでその大きさに併せたものを作り、隙間を埋めることも可能です。加工が容易にできるというのもDIYでは大きなポイントですね。

OAフロア完成
最後に全面タイルカーペットを敷き詰めれば完成。配線を床下に隠すことができるので見た目もスッキリしますし、床を走る配線につまづく心配もありませんね。

新築・引っ越しに加え、このようなレイアウト変更のタイミングに併せてOAフロアを施工するのもおすすめ。

4-2. レベル調整タイプの事例

次はレベル調整タイプのOAフロア設置工事。東京都千代田区のオフィスで、部屋全体の改修工事に伴いOAフロアを施工。

レベル調整タイプOAフロア

不陸調整が必要だったため、レベル調整タイプのOAフロアを施工。先ほどの置き敷きタイプの写真と見比べると、工事は大掛かりに。まず脚が規則正しく並べられ、その上にパネルを設置する流れです。

レベル調整タイプOAフロア
部屋全面に施工してタイルカーペットを敷いているところですね。

レベル調整タイプは対荷重に加え、断熱性・防音性も優れているので快適に歩けます。どうしても床が凸凹していたり、斜めになっている場所ではレベル調整タイプのOAフロアが良さそうです。

【こちらの施工事例の参考リンク】
▼OAフロア オフィスラインカテゴリTOP(https://stepline.jp/oafloor.html)
▼オフィスライン(https://stepline.jp/)(※プロユースの方は別途ご相談とのこと)

まとめ : デキるオフィスはOAフロア!

パソコンやプリンタなど電気機器が増えがちなオフィス。どうしても配線が床の上を走ってしまいます。でもOAフロアを設置することで、配線がスッキリと収まり足を引っ掛ける心配もありませんね。

トラブルを未然に防止し、部屋全体をスッキリ綺麗な印象にできる。仕事効率もグッとあがりそうです。

私が新しいオフィスを作るときにはOAフロアで決まり!これで、友達にも自慢できそうです(笑)
私のオフィスはビルの3階なので、ステップラインの樹脂製OAフロアは建物にも負担をかけないのが嬉しいポイントです。ビルのオーナーにも説明しやすそうですしね。

置き敷きタイプのOAフロアであればパーツ1つ1つが軽いので、DIYで施工することもできそうですし、社員で施工しても楽しそうですね。

みなさんのオフィス、床を変えるだけで「デキるオフィス」に早変わりするかも!?

建材ダイジェスト 編集部

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