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木目の凹凸を活かし、あたたかみを生む。「浮造り工法」におすすめの3つの木材を比較。

CLASS1 ARCHITECT Vol.10 で特集した、畑友洋氏設計の「大地の家」。そこに使われた無垢の床材・壁材・天井材は、自然の凹凸を活かした伝統技法の「浮造り(うづくり)」で作られています。「大地の家」では「本物の木の質感を最大限に表現できる素材」として浮造りのナラ材が使用されました。

「大地の家」で浮造り木板の製作を行った「ワールドフロンテア有限会社」によれば、浮造り工法はあらゆる木材で可能な加工方法とのこと。今回はそのなかでも、浮造り工法によく使われるという「ナラ」・「タモ」・「マツ」の3つの木材を比較します。

畑友洋氏による「浮造り木板」のレビューを読む

(アプリ「CLASS1 ARCHITECT PORTAL」のインストールが必要です)

「浮造り工法」とは


©︎World frontier co., ltd

「浮造り工法」とは、木目などの自然の凹凸を浮き上がらせる加工方法。木板に立体感を生み、光の当たり方による陰影の変化をつけることができます。

木は、年月が経過するとやせて木目が浮き上がり 自然と浮造りになります。実際に、古いお寺の縁側の床などを裸足で歩くと、木の凹凸を感じることができます。

経年変化でできるこのような凹凸のあたたかみや装飾性が評価され、「最初から人の手で凹凸をつくれないか」と考えられるようになり、浮造り工法が活用されるようになりました。


©︎World frontier co., ltd

技術的には、すべての木材で浮造りの加工が可能です。しかし、基本的には浮造りのフローリング・パネリングには、ナラ・タモ・マツ がよく使用されています。これらは古来から日本の天井、壁、柱など建築材料として使われていた木材です。そのため、天井・壁・床材に同じ素材を使うこともでき、統一感のある空間が生まれます。

浮造りによく使用されるナラ・タモ・マツは、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?次からは、見た目の特徴や建築材としての性能を比較していきます。

ナラ:重硬で丈夫。耐久性が高い


引用:KINOYUKA.NET

ナラは、フローリングとして最も多く使われていると言われる広葉樹です。丈夫な硬さと耐久性があり傷が付きにくく、古くから床材として使用されてきました。

見た目では、木目の密度が高く、大きな節を持つのが特徴。その重厚感は、経年変化によってさらに深みを増します。特にワイド幅で製作することで、ナラの荒々しい木目の魅力を引き出すことができます。

広葉樹の中でも高級木材で、今回比較する3つの木材の中でも高価です。

タモ:やや重硬で衝撃に強い


引用:KINOYUKA.NET

広葉樹のなかでも加工性に優れる木材のタモ。やや重硬で、靭性・弾力性に富むため衝撃にも強いのが特徴です。

木の深くまで流れる木目は、美しく、立体感を感じさせます。はっきりとした木目が豪快に通っているので、パネルの幅が広いほど、見た目の特長が最大限に引き出されます

マツ:やさしい踏み心地の床に


引用:KINOYUKA.NET

針葉樹で軟らかい木材のマツ。フローリングに使用すると、やさしい踏み心地を感じさせます。密度が小さく軽いため傷が付きやすい性質を持ちますが、同時に断熱性に優れるため冬にも足元を暖かく保ちます。

最初は白っぽい色をしていますが、徐々にあめ色に変わる経年変化も楽しめる木材。3つの木材の中では比較的安価に施工することができます。

浮造り木板の使用事例を見てみませんか?

CLASS1 ARCHITECT Vol.10では、ナラ材の浮造り木板の採用事例を紹介。建築家の畑友洋氏が設計した「大地の家」で、壁材・床材・天井材に使用されています。

アプリでは、畑氏によるレビューと、メーカーによる開発秘話を無料公開中。床材や壁材に無垢材を考えている方は、こちらのレビューを参考にしてみてはいかがでしょうか。

畑友洋氏による「浮造り木板」のレビューを読む

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