“超速硬化”で時間と費用のコスト削減。著名建築家が使用した屋上防水を比較で解明。
「CLASS1 ARCHITECT Vol.08」に掲載した、株式会社ダイフレックスの「超速硬化ウレタン防水システム」。建築家 藤原徹平氏が「那須塩原市まちなか交流センター くるる」で使用した建材として紹介しました。硬化が速いことや強度が高いこと、吹付け工法のため複雑な形状にも追従できることが強みです。
この「超速硬化ウレタン防水システム」について、本誌では「当時一般的だった『アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ』の代替工法として広まっていった」と紹介しました。「超速硬化ウレタン防水システム」が生まれたことで、具体的にどのような点が変わったのでしょうか?
そこで今回は、防水材の製造・販売を行う株式会社ダイフレックスへの取材を基に、「超速硬化ウレタン防水」と「アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ」を数字で比較しました。
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「アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ」による防水
「アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ」は、アスファルト防水の上からコンクリートを打設して仕上げる防水工法。アスファルト防水のみだと表面が傷付きやすく、露出の仕上げでは非歩行用途となり、屋根の使用がかなり制限されます。そのため、アスファルト防水を保護するように上からコンクリートをかぶせる(押さえコンクリート)仕上げとの組み合わせが一般的です。
他の防水工法と比べ耐久性が高いのは、アスファルト防水の大半がコンクリート保護された状態で使用されるため。また、建築防水に使用された歴史が長いため、信頼性という評価につながっています。
「超速硬化ウレタン」による防水
「超速硬化ウレタン防水システム」は、ウレタンを専用機械で吹き付けて防水する方法です。複雑な形状にも追従することができ、スプレーのように吹付けていくため広い面積をムラなく施工できます。
ダイフレックスの「超速硬化ウレタン防水システム」の場合、用途に合わせた防水仕様の組み合わせも可能です。例えば屋上緑化や屋上ウッドデッキの設置など、それぞれの用途に最適な仕様で防水できます。
「超速硬化ウレタン防水」によって何が変わったのか?
では、「超速硬化ウレタン防水」が登場したことによって、防水がどう変化したのでしょうか?ここからは具体的な数値を比較しながら見ていきます。
アスファルト防水 | 超速硬化 ウレタン防水 |
|
---|---|---|
概要 | 露出仕上げにした場合、非歩行用途に限られる。 押さえコンクリート仕上げをした場合、通常の歩行が可能になる。 |
露出仕上げのみで、通常の歩行や緑化が可能。 |
耐久性 | 20年おきにメンテナンスが必要 (防水層の全面撤去または被せ改修を行う) |
15~20年おきにメンテナンスが必要 (被せ改修、トップコートの塗り替えなどを行う) |
防水工事の工期 (300㎡相当) |
1か月 (防水工事+押さえコンクリート工事) |
1週間 (防水工事) |
㎡あたりに かかる施工費用 |
14,000円(設計価格) (9,000円+押さえコンクリート5,000円想定) |
13,100円(設計価格) |
㎡あたりの重量 | 220kg | 3.8kg |
※超速硬化ウレタン防水の数値は、アスファルト防水押さえコンクリート仕上げの同等品と考えられる「超速硬化ウレタン複合工法(UPM-10工法)」で施工した場合の数値です。
※防水メーカーによって金額や重量等は異なります。
まず耐久性を見ると、「アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ」の方が劣化を抑えられ、耐久性が高いと言えます。
しかし、「超速硬化ウレタン防水」では防水層の硬化にかかる時間を大幅に短縮することができます。施工完了にかかる時間では、「超速硬化ウレタン防水」の登場によって「アスファルト防水押さえコンクリート仕上げ」の1/4以下の工期で完了できるようになりました。
さらに、「超速硬化ウレタン防水」によって重量は約60分の1にまで抑えることができるように。屋上の重量を削減することは、柱や梁への荷重負担軽減や耐震性能向上に繋がります。㎡あたりの施工費用も安くなり、建築全体のコストダウンが図れるようになりました。
実際に使用された事例と、建築家によるレビューを無料公開中
「CLASS1 ARCHITECT PORTAL」では、フリーマガジン「CLASS1 ARCHITECT Vol.08」を無料公開中。「超速硬化ウレタン防水」が実際に使用された「那須塩原市まちなか交流センター くるる」を特集し、設計者の藤原徹平氏による「超速硬化ウレタン防水」のレビューを紹介しています。
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