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著名建築家が選んだエコ断熱材「ウッドファイバー」:従来の断熱材との違いとは

CLASS1 ARCHITECT Vol.14で紹介した、断熱材の「ウッドファイバー」

建築家の能作文徳氏が事務所兼自邸「西大井のあな」に使用した、環境負荷の少ない断熱材として紹介しました。

能作文徳氏による「ウッドファイバー」のレビューを見る

能作氏はなぜ、数ある断熱材のうちウッドファイバーを選んだのでしょうか。

そこで今回は、「西大井のあな」でウッドファイバーが選ばれたポイントを他の断熱材と比較をしながら紹介。特に、能作氏の建材選びの視点である「環境負荷」と「DIY」の面に注目して比較します。

CLASS1 ARCHITECT本誌には掲載し切れなかった、能作氏のコメントも合わせて紹介していきます。

比較する断熱材

  • グラスウール
  • スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)
  • セルロースファイバー
  • ウッドファイバー

グラスウール

引用:ニフティ不動産

グラスウールはガラス繊維でできた最もスタンダードな断熱材。断熱材の中でも安価で手に入れることができます。

素材がガラス繊維のため、シロアリなどの害虫被害や火災に強い点が特徴です。

 能作氏のコメント

グラスウールは、ガラスを主原料としているところは良いと思います。しかし、気密性をしっかり取らないと水気が入ってしぼんでしまい、せっかくの断熱性能を発揮できません。

DIYで気密性を取れるように施工するには、難しいだろうと思いました。

スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)

引用:Vホームフェアレビュープラス

スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)は、発泡ポリスチレンを板状に成形した断熱材。

板を成形するプラスチックの粒が小さいため、薄くても高い断熱性を発揮します。

また、カッターなどを使って簡単にカットできるため、加工・施工が容易です。

 能作氏のコメント

スタイロフォームは断熱性が高く、DIYをするにも非常に楽だと思います。ただ、どうしても石油製品という部分が気になりました。

セルロースファイバー

引用:株式会社工藤工務店

セルロースファイバーは、古紙を再利用した木質繊維の断熱材です。

難燃剤となるホウ酸が添加されていることで、ホウ酸による防火性能・害虫予防性能を備えます。また、セルロースファイバー自体が吸放湿性を持つため、建物内部の結露対策にもなります。

 能作氏のコメント

セルロースファイバーは新聞紙を加工したものでエコなのですが、施工するためには吹き込み用の専用機械が必要。

ブロアーがないと施工ができないため、素人がDIYするには難しいと思いました。

ウッドファイバー

「ウッドファイバー」は、木のチップを繊維化・圧縮した断熱材。二酸化炭素の固定機能を持つことはもちろん、廃棄時は埋め立てずに木くずとして処理することができます。

製造時の燃料には、製造過程で選別されたチップや樹皮などを利用。製造から廃棄まで環境に配慮した断熱材です。

3つの断熱材と熱伝導率・熱容量
断熱材 熱伝導率(W/m・K) 熱容量(J/㎡・K)
ウッドファイバー
(55K/㎥)
0.040 82,500
押出法ポリスチレンフォーム
(25K/㎥)
0.028 32,500
高性能グラスウール
(16K/㎥)
0.038 13,440

熱の伝えやすさを示す熱伝導率は 0.04W/m・K と、グラスウールよりもやや大きい数値です。

しかし、ウッドファイバーは熱容量が大きく、蓄熱性能に優れています。熱容量が大きいと熱が伝わるスピードも遅くなるため、室内の温度変化が小さくなります。

また、木材を繊維化した製品のためレシプロソーなどを使って切断でき、特殊な技術や道具も不要で施工しやすいというメリットもあります。

 能作氏のコメント

ウッドファイバーは木の屑を圧縮して作っているので石油製品ではなく、グラスウール相当の断熱性能があります。

断熱材の中では割高ではあるのですが、ずっと使ってみたかった製品です。エコロジーに興味がある建築家はウッドファイバーを使っている印象です。

「ウッドファイバー」の使用レビューと開発秘話が無料で読める

環境配慮の面だけでなく施工性も高いウッドファイバーは、“自分の手で行う断熱改修”がコンセプトの「西大井のあな」に最もマッチする断熱材だったため、能作氏に選ばれたのでしょう。

CLASS1 ARCHITECT Vol.14では、今回紹介したウッドファイバーを詳しく特集。建築家 能作文徳氏が、「西大井のあな」で使用した際のレビューを掲載しています。

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能作文徳氏による「ウッドファイバー」のレビューを見る

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