手すりなのに「素手」で曲がる!?現場で自由に曲げ加工「BENDY」
今回ご紹介するのは介護リフォームの定番とも言える手すりです。手すりは手すりでも有限会社アイ・エバリさん(東京都練馬区)が開発した木製風の製品「BENDY(ベンディー)」に迫ります。なんと現場で自由に曲げ加工のできるからビックリです。
まるで「木」なのに「素手」で曲げられる!?
「手すりなんて今更ねぇ…」と侮ってはいけません。実はBENDYはよく見かける普通の手すりとは違って曲げ加工が自由なんです。
手すりが必要な箇所は直線ばかりとは限りません。曲がった箇所でもよく使われるため、従来の手すりの曲げ方は複雑でした。
現場で施工できる!つなぎ目いらずのBENDY
手すりの曲げ方といえば主に次の2通りです。
手すりを曲げる一般的な方法
- 役物と呼ばれる曲げ物をジョイント金具を細かく使って取付ける
- 現場採寸・工場加工した後、搬入して取り付ける
ところが従来の一般的な方法には、いずれも課題がありました。
1の方法はつなぎ目の節が多くなるためジョイント部分の金具が原因でケガをする恐れがあります。また見た目もスマートではありません。
2の欠点は当日取付が不可能な点。少しでもサイズが合わないと持ち帰って加工し直します。そうなると手間と時間がかかってしまい、コストも掛かるうえにお客様を待たせてしまいご迷惑をかけてしまいます。実際にきちんと採寸したはずなのに現場では微妙に合わない、なんてことはよくあります。
「実際にきちんと採寸したはずなのに現場では微妙に合わない!」といったことはよくあるため、そうした際にコストが掛かる上にお客様を待たせてしまいご迷惑をかける恐れがあります。
一方でBENDYは現場で簡単に切断や曲げ加工ができるため、作業期間やコストを大幅に短縮できます。特に「曲げ」の部分はBENDYの得意とするところ。見た目もスマートです。
見た目はまるで「木」なのに曲げ方は自由自在
手すりの材料として多いのは、木もしくは金属です。
木製 | 金属製 |
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中には金属の欠点をカバーするために金属芯に樹脂を被せたタイプもあります。
BENDYの素材はPVC樹脂に木片チップを入れ込んだもので、見た目は木そのものです。
本来の木であれば曲げることはできないという欠点がありましたが、BENDYは木と同じく現場で簡単に切断できる上、曲げることもできてしまいます。見た目が木なのに自由自在に曲げられているので、初めて見た方が驚かれるのも無理はありません。
驚きの施工方法!「素手」で曲げる!?
BENDYの施工で準備するのはドライヤー。そう、あの髪を乾かすためのドライヤーです。それにクロスブロアとよばれる耐熱性の袋。この2つだけで曲げ加工が出来てしまうのです。
BENDYを施工する際の準備物
- ドライヤー
- クロスブロア
曲げたいと思うところにクロスブロアを取付けドライヤーで10分ほど温めるだけ。そして一気に「手」で曲げていきます。その後、濡れタオルで冷やせばOK。通常の木と同じようにノコギリで簡単に切断でき、木ビスでブラケットに留めていくので施工は非常に簡単!特殊技能も必要ありません。
以上をまとめると、BENDYを手すりに使うメリットは次の6つです。
BENDYを使うメリット
- 曲げ部分は役物部品を使わない
コストダウン・施工が早い! - 現場でブラケット位置や手すり長さを調整できる
「L型」手すりも簡単にできる - 現場の突起物も曲げて避けられる
場所を選ばず水平・垂直方向に関係なく連続手すりができる - 従来無理だと思われていた場所や形にも施主の要望にあわせた形の手すりが作成できる
- 万が一曲げ方を間違ってもその場で切断や修正が可能
無駄がない上、業者も施工に余裕を持って臨める - 階段など曲げ箇所の多い現場でも直棒を持ち込むだけなので加工部品の配置ミスがない
とにかく自由に曲がった連続手すりは美しいとしか言いようがありませんね。
BENDYのカラーバリエーション・価格
カラーは4色、木に近い雰囲気を醸し出してくれます。価格はオープンプライスということですが、実際に問い合わせてみたところ、大手の金属製に比べても高くはありません。
屋外には紫外線で退色しない「BENDY2」がオススメ!
BENDYには紫外線下で色が退色してしまうという欠点もあります。
ですがこの欠点を補った「BENDY2」という製品もあります。こちらは紫外線に強い耐候性ASA樹脂を使用しており、BENDYの特徴である木っぽさは少々薄れますが、屋外に向いています。
こんな些細な場所に設置したかった!そんなニーズにピッタリのBENDY
日本には住宅改修費の負担を軽減してくれる介護保険がありますが、BENDYは介護保険対象商品にもなっています。介護保険を用いた施工の場合は、改修費の負担が一部で済むのが嬉しいですね。
介護保険における住宅改修
要介護者等が、自宅に手すりを取付ける等の住宅改修を行おうとするとき(※)は、必要な書類(住宅改修が必要な理由書等)を添えて、申請書を提出し、工事完成後、領収書等の費用発生の事実がわかる書類等を提出することにより、実際の住宅改修費の9割相当額が償還払いで支給される。なお、支給額は、支給限度基準額(20万円)の9割(18万円)が上限となる。
※ やむを得ない事情がある場合には、工事完成後に申請することができる。
- 引用元 : 介護保険における住宅改修 | 厚生労働省
- 引用日 : 2016年7月5日(火)
このように介護目的として設置できるだけでなく、つなぎ目のない手すりの滑らかな流線形で室内をオシャレに演出してくれるBENDY。トイレで腰を上げるときの補助としてなど、ちょっとした場所でも曲げの自由自在を活かして綺麗に納まってくれて、お年寄りがいる世帯でのリフォームに特に向いている建材ではないでしょうか。
この建材のポイント
オススメなのは? | 見た目にこだわれて細かなニーズに対応できる手すりが欲しい方 |
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一番の強みは? | 現場で自由に曲げ加工できる |
施工の強みは? | 現場合わせがラク!工場を経由することなく施工できるため人工・資材共にコストダウンが図れる |