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【GLASS :#02】ガラスの正体とは?~成分に応じた分類~

マテリアルジャーニー第2回 ガラスの組成

素材を紐解く新シリーズ「マテリアルジャーニー」。第1回目はガラス作りの歴史にスポットを当て、時代の変遷に伴う全8種類の製造法をご紹介しました。

しかしながら、肝心のガラスの正体については触れられていません。

そこで第2回目の今回は、ガラスの正体を明らかにしていきます。一体どんな成分の物質なのか、どんな原料からできるのか。

さっそく見ていきましょう。

ガラスの成分とは?

ガラス成分の分類表
ガラスの成分はおおきく①酸性成分」「②塩基性成分」「③その他」の3つに分類でき、①②③からそれぞれ1つまたは2つ以上混ぜて、1400~1500℃で溶かし固めるとガラス(種ガラスともいう)になります。その種ガラスを徐々に冷やし、800~1250℃に下げて粘りをもたせながら成形していきます。

たしか中学校の時に「ガラス=二酸化ケイ素(SiO2)」と覚えた記憶がありますが、この表に照らすならばガラスの3つの成分である「①酸性成分」の1つにしか過ぎないことがわかりますね(ただし、後述しますが、二酸化ケイ素だけで構成される「石英ガラス」があるので、間違いとは言い切れない)。

ここでのポイント
ガラス=①酸性成分+②塩基性成分+③その他(補助剤)

成分による、ガラスの分類

先ほどの「①酸性成分」「②塩基性成分」「③その他」の組合わせによって、ガラスの種類も分類されていきます。

ガラスの主成分 ガラスの種類 用途
けい酸だけ 石英ガラス 理化学用器具
けい酸とアルカリの1種類およびその他の塩基性成分 ソーダ石灰ガラス 板ガラス、窓ガラスなど
カリ石灰ガラス(ボヘミヤンガラス) ステンドグラス、理化学用器具など
フリントガラス(カリ鉛ガラス) レンズ、高級食器など
けい酸とほう酸、およびアルカリ ほうけい酸ガラス 理化学用器具、光学用器具など
けい酸を含有したもの ほう酸ガラス 理化学用器具
けい酸と1種類のアルカリ 水ガラス 防水剤、防火剤など。
ここでのポイント
ガラスの主成分に応じた分類がある。

「成分」と「原料」の違い

さらに調べるうちに、板ガラスの原料にたどり着きました。素材は次の7つです。

1. けい砂

ケイ酸分に富む石英砂の総称。主に石英粒より成る白ないし褐色の砂。花崗岩などの風化で生ずる。人工ケイ砂もある。陶磁器・ガラス製造、鋳物砂などの原料。

2. ソーダ灰(そーだばい)

粗製の工業用炭酸ナトリウム。ガラス・石鹸・紙・ペンキなどの製造や繊維工業に用いる。

3. ぼう硝(芒硝)

硫酸ナトリウムの十水和物の俗称。漢方生薬の一つで解熱・瀉下剤とする。

4. 長石

アルミニウム・ナトリウム・カルシウム・カリウムなどを含む珪酸塩鉱物の一群。多くは単斜晶系または三斜晶系に属し、ガラス光沢をもち、色は白または灰・淡紅・淡褐・緑など。火成岩の主要成分の一つ。アルカリ分とケイ酸の一部を失い、水分を吸収して陶土になるから窯業原料として利用される。〈本草和名〉

5. 石灰石

堆積岩の一種。炭酸カルシウムから成る動物の殻や骨格などが水底に積もって生じる。主に方解石から成り、混在する鉱物の種類によって各種の色を呈する。建築用材または石灰およびセメント製造の原料。

6. 苦灰石(くかいせき)

カルシウムとマグネシウムの炭酸塩鉱物。六方晶系。白雲岩の主成分をなし、また、熱水鉱脈中や変成岩などにも産する。白雲石。ドロマイト。

7. くずガラス

ガラスのくず。

※1~6の引用元:広辞苑第六版
※引用日:2017年10月30日



図にまとめてみますと、このようなイメージですね。

原料と成分の概念図
ここで注意したいのは、「原料」と「成分」を混同しないこと。けい砂のなかに、①酸性成分である「けい酸」が含まれているというイメージです。

ここでのポイント
「成分」と「原料」はごっちゃにしない。

参考:ガラスの原料はAmazonでほとんど買える。

ちなみに「くずガラス」以外、すべてAmazonで売っています。最安価格(送料別)を調べてみたところ…

  • けい砂…324円(120mℓ)~
  • ソーダ灰…270円(100g)~
  • ぼう硝…720円(800g)~
  • 長石…378円(1,000g)~
  • 石灰石…450円(500g)~
  • 苦灰石…1,080円(1,000g)~
  • くずガラス…販売無し

と合計3,016円で揃えられます。自然界で拾えば、これより安く抑えられます。製造方法はクラウン法が手軽でいいかもしれませんね(ガラスの製造方法につきましては下記記事でまとめています)。

まとめ:ガラスの成分

本記事のポイントを下記にまとめました。

ガラスの成分まとめ

  1. ガラス=①酸性成分+②塩基性成分+③その他(補助剤)
  2. ガラスの主成分に応じた分類がある。
  3. 「成分」と「原料」はごっちゃにしない。

第3回ではガラスの性質について紐解きます~。

参考一覧

  • 大野隆司監修、橘高義典、小山明男、中村成春著『初学者の建築講座 建築材料』市ヶ谷出版社、2009年
  • 嶋津孝之、福原安洋、在永末徳、松尾彰、中山昭夫、蓼原真一著『建築材料<第3版>』森北出版、1994年
  • 橘高義典、杉山央著『建築材料(第四版)』市ヶ谷出版社、1976年
建材ダイジェスト 編集部

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