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「無垢材」とは?よくみると不思議な言葉ですよね

「無垢材(むくざい)」ってよくみると不思議な言葉ですよね。
私は最初これが木材を示す言葉だと知りませんでした。

無垢材とは、接着剤を使わず製材品として利用する木材のことを言います。
漢字からちょっと想像できません。

それなのに無垢材という言葉は家づくりの本やチラシでよく見かける言葉となっています。

そこで今回は無垢材の定義・特徴、集成材との比較・おもしろい無垢建材についてお伝えします。

ぜひ建材選びの参考にしてみてください。

1. そもそも無垢材って何?

そもそも無垢材とはどんな材料なのでしょうか?
広辞苑では次のように定義されています。

むく‐ざい【無垢材】 : 接着剤で合成した集成材に対して、そのまま製材品として利用する木材。

引用元 : 広辞苑
引用日 : 2016年12月27日

次に、農林水産省の定義もみましょう。

無垢(むく)材 : 接着剤を使わず製材品としてそのまま利用する木材。

引用元 : 農林水産省 用語の解説
引用日 : 2016年12月27日

ほぼ一緒ですね。接着剤をつかっていない点がポイントであり2つに共通していますね。

2. 無垢材には一般にどんな特徴があるの?

無垢材には一般にどんな特徴があるのでしょうか?

2-1. 無垢材の強み

無垢材の強みはざっとあげるとこれらの特長があります。

【無垢材の強み】

  1. 調湿性
  2. 暖かい
  3. 足触りがよい
  4. シックハウスになりにくい(接着剤を使っていないから)
  5. いい匂いがする

調湿性について、杉の無垢材と合板を比較した実験があります。
なんと無垢材53ミリ×62ミリ×厚さ12ミリと合板120ミリ×120ミリ×厚さ12ミリが同じ調湿性能だとわかります。
(参考 : 島根県産業技術センター研究報告 「各種建築材料の基本的吸放湿性能の評価」)

暖かさはもともと水を吸うための道(導管)が木にはあるので、そこに空気がある分暖かく感じます。

足触りは実際に歩いてみるとわかります。なんともいえない柔らかさを感じます。

シックハウスについては、原因となる接着剤を使用していないことから、明らかです。

匂いについても、実際に嗅いでみるとわかります。
本来の木そのものの匂いか(無垢材)、接着剤を含む化学物質の臭いか(集成材・合板など)という違いです。

2-2. 無垢材の弱み

一方で無垢材にはこんな弱みもあります。

【無垢材の弱み】

  1. 反り・曲がり・縮む場合がある
  2. 柔らかく傷がつきやすい
  3. 長持ちさせるにはお手入れが必要になる場合がある

木には湿気を含むと膨張し、湿気が抜けると縮む性質がありますが、湿気が抜けやすい箇所とそうでない箇所があります。その不均一さによって反りや曲がりとなって表れてきます。

ちなみに箇所による縮みやすさはこんな感じで違います。

傷のつきやすさを実験している工務店がありました。
こちらのページをどうぞ。

また美しく長持ちさせるためには、傷がついた表面を削ったり、ワックスを塗ったりすることも重要です。調湿性能を損なわない天然塗料を使用した方がよいでしょう。

3. 無垢材はどんなところに使われているの?

仕上げ材と構造材に使われます。
仕上げ材の施工場所としては次のような例があります。

  • 床材(フローリング)
  • 外壁
  • 内壁
  • 天井

構造材としては法隆寺の柱や梁に木が使われているように、家の骨組み部分にも使われます。

4. 無垢材とよく比較検討される建材は?

集成材や合板がよく比較されます。
農林水産省が定める日本農林規格(JAS)で集成材は次のように定義されています。

ひき板、小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着をした一般材

引用元 : 集成材の日本農林規格
引用日 : 2016年12月27日

  • のこぎり等でカットした板を何枚も重ねていること
  • 接着剤を使用していること

が無垢材との違いだと分かります。そのうえで集成材との強み・弱みをまとめてみると、

【集成材の強み】

  • 施工後の乾燥による割れ・反り・ねじれが起きにくい
    (のこぎりでカットした板を乾燥させたうえで接着剤で張り合わせているから)
  • 元の丸太よりも大きなサイズでも自由に作れる
  • 無垢材と比べ価格高め
    (カットしたり、接着剤で張ったり、手間かかる)

【集成材の弱み】

  • 接着剤がシックハウスの原因となる場合がある
  • 接着剤がはがれ、隙間ができる場合がある

とわかります。

なお参考ですが農林水産省の統計から次のことがわかりました。

  • 2013年の生産量は163万㎥(内訳 : 構造用91%、仕上げ用9%)
  • 集成材に使う木の種類は、国産針葉樹23%、欧州材68%、北米材8%
  • 具体的な木の種類は、「スギ・カラマツ(日本)」「ベイマツ(米国)」「ホワイトウッド(欧州トウヒ)」「レッドウッド(欧州アカマツ)」
  • 集成材そのものをヨーロッパからも輸入している。国内生産割合は65%
  • 製造工場数は奈良県が一番多い。(奈良16、愛知13、北海道10、秋田10)

奈良県が集成材生産No.1なんですね!

5. おもしろい無垢材の商品

ここまで無垢材との特長や集成材との違いについて述べてきました。
ここからは「実際どんな無垢材があるのか?」ということで、過去に建材ダイジェストで記事にした製品を紹介したいと思います。

5-1. ユカハリ・タイル

賃貸マンションでもDIYでき、跡も残らない無垢タイルです。
お部屋の湿度を手軽に調整したり、柔らかい足触りを手軽に楽しめる製品です。

5-2. デザインウォール

無垢材といえばフローリングが多いのですが、内壁に使える商品もあります。
おもしろい表面をした無垢壁材です。

5-3. WOODPRO「杉足場板」

これはもともと作業現場で作業員の足場として使われていた商品です。

まとめ : 適「材」適所

私もショールームで無垢床の上を歩いてみましたが、その時の足触りの良さはなんともいえません。
合板フローリングと歩き比べてみたときの柔らかさ、ぬくもりは明らかです。

一方で住んでみるとメンテナンスが必要だということもわかりました。
傷も目立ちボロボロやなぁと感じてくるのかもしれません。

そういう意味では集成材や合板フローリングの方が楽かもしれませんね。

次回は「さて、どちらが無垢材でしょう?」という目隠し実験をやってみましょう(笑)!

建材ダイジェスト 編集部

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