【家の虫対策】元 : 害虫駆除作業者が話す、家に虫が入ってくる原因は網戸にあった
梅雨に入り、もう少しすると夏になります。気温も湿度も高くなり、ジメジメした日が続くことが多くなりますね。
そんな季節になると家の中に増えてくるもの…、そう虫です。
横になってくつろぎたいのに、虫が飛んでいてどうしても気になってしまう。ご飯を食べる時に虫が飛んでいて食欲がなくなってしまう。
そんな経験をされた方もいるのではないでしょうか?
今回は、元害虫駆除作業員の私が、虫が家の中に入ってくる原因と、虫対策の方法をご紹介します。当たり前の方法でも気を付ければ虫の侵入を防ぐことができます。
家に入ってくる虫の種類
まず最初に、家の中に入ってくる虫の種類を確認してみましょう。
あなたが見かけた虫がこの中にいるなら要注意!どんどん入ってきて家の中で増えてしまうかもしれません。
ゴキブリ
まずは代表的な害虫、ゴキブリです。
台所・トイレなどの水場を好み家の中に生息する害虫。大きく分けてクロゴキブリとチャバネゴキブリの2種類がよく見かけられます。
どちらも、水を飲むだけである程度の期間を生き続けられるので、家の中を綺麗に保っていても増えてしまう可能性があります。特に水回りの掃除には気をつける必要がありそうですね。
また、チャバネゴキブリは一度の産卵で30匹以上の幼虫を産むので、家の中で産卵すると一気に増えていきます。特に、壁の中や天井裏など空気のこもる場所で産卵することが多いので、なかなか見つけられません。
「ゴキブリ1匹くらい!」なんて言われることもありますが、実は家の中に何百匹と生息していることも…。
ハエトリグモ
一般的に、家の中で見かけるクモのほとんどが「ハエトリグモ」。
ハエトリグモというのは、その名の通りハエを捕食するクモです。”ハエトリ”と言いますが、ハエだけでなく他の小型の虫も主食としている虫です。
そこまで大きくはありませんが、太い足でちょこちょこと走り回るのが特徴。捕まえようとしたのに逃げちゃった!なんて経験をした方も多いのでは?
ハエトリグモがいるということは、そのエサになる小型の虫も家の中に多く生息しているということ。別の虫対策もしておかないと、ハエトリグモが入ってこない環境は作りづらいんです。
また、足の長い「アシダカグモ」と呼ばれるクモも家の中に生息します。足が長く大型なので、虫嫌いの人が見ると悲鳴をあげるかもしれませんね。
コバエ
台所やトイレなど、水のある場所にコバエがブンブン飛んでいることはありませんか?不快な虫の中でも、特にストレスを感じやすいのがコバエでしょう。
コバエといっても、家の中で見かけるものの多くは「チョウバエ」と言われる種類のハエ。台所やお風呂、トイレなどの水回りに多く発生します。
チョウバエは、ゴキブリのように水を飲むために生息しているのではなく、水回りのゴミに群がるのが目的。風呂場の排水溝やキッチンの三角コーナー下のゴミなどを好みます。
隙間に挟まっているような小さなゴミでも、大量のチョウバエが発生することがあるので注意が必要です。
また、チョウバエは水回りに幼虫を産むので、その場所でどんどん繁殖。
真夏のときに、気づいたらキッチンがチョウバエだらけになってる!なんてお家もありました。
害虫の駆除方法
では次に、害虫の駆除方法についてご紹介していきましょう。駆除方法とその予防方法も知っておけば、快適な住宅空間が作れますね。
基本的に殺虫剤でOK
基本的に、どの虫も殺虫剤を使って駆除できます。成虫・幼虫どちらも効果あり。ただし、卵に殺虫剤をかけても効かない場合が多いので注意してください。
殺虫剤で駆除できるのは「今いる虫」のみ。これから家の中に入ってくる虫、繁殖していく虫に対しては効果がありません。一般的に販売されている商品では、そこまで残効性(殺虫効果が残る)の高いものはないでしょう。
私は害虫駆除のプロとして仕事をしていましたが、入ってくる虫を殺虫剤で防ぐというのはプロ専用の殺虫剤でも難しいものでした。
駆除しやすいように、水回りの掃除をする
虫が出た時にすぐ駆除できるよう、水回りを綺麗に保っておくことも重要です。
虫は水回りのゴミに寄ってくることが多いので、水回りを綺麗に保っておけば虫の繁殖が防げます。そうすれば、しっかりと殺虫剤で退治できますね。
排水溝のゴミ、トイレのタンク内、キッチンの三角コーナーなどは定期的に掃除しましょう。その場所のヌメリに虫が寄ってきます。
害虫駆除をしていた頃、お客さんは掃除の重要性を分かっているようでも、なかなか出来ていませんでしたね。当たり前のことをしっかりと行いましょう。
綺麗にしていても、虫は入ってくる
虫の好みそうな場所を綺麗に掃除していても、何かしらの理由で入ってきてしまいます。
家の中の湿気に寄ってくる虫、外と室内の気圧差で扉の隙間から入ってくる虫など。そのような虫が入ってこないようにするためには、虫の出入りしている場所を防ぐことがとても有効。
もちろん、家の中は綺麗に保ちつつ。のお話です。
ほとんどは網戸が原因になっている
害虫駆除をしていた時、家の中に虫が入ってくるほとんどの原因が網戸でした。
- 歪んでいる隙間ができている網戸
- 傷が入っている網戸
- 網目が大きくて虫が通れる網戸
換気のために網戸で生活している方は多いのかもしれませんが、その網戸が大きな原因となっています。
でも、網戸ってどんなものがいいかわかりませんよね。金額の想像もつきにくいかもしれません。では、網戸でしっかりと虫対策ができるように、オススメの網戸をご紹介していきましょう。
虫が通れない網戸
やはり、虫の侵入を防ぐためには網目の細かい網戸に変更することが効果的。細かければ、それ以上の大きさの虫は入ってこれませんからね。
網目はメッシュという単位で計算します。1インチあたりに何マスの網目が入るのか、というのが基準です。その数字が大きければ大きいほど、網目が細かくなり虫が通りにくくなります。
こちらの記事では、網目の大きさ別に網戸メッシュを紹介しています。200メッシュという超細かい網戸までありますので、虫に悩んでいる方は一度ご覧ください。
網が交換できる網戸
網戸から虫が入ってくるのは、網目の大きさが原因の1つ。ほかにも、網戸自体に傷が入っていたり、網戸にゴミが溜まって虫が寄ってきたりしているパターンもありました。
網戸はなかなか掃除するのが難しいのかもしれませんが、虫対策をする上ではしっかりと掃除しておくのも重要です。
建材ダイジェストで取り上げた「カートリッジ網戸」という網戸はその名の通り、取り外しができる網戸です。
取り外しができるので簡単に洗えますし、傷が入ってしまった時は予備の網戸に付け替えるられます。虫対策をするなら、こういった網戸にしておくのも便利かもしれませんね。
網戸の種類別に選んでみるのもアリ
「こんな場所に網戸をつけたい」「こんな網戸にしたい」という希望があるのなら、網戸を種類別に確認してみるのもアリですね。
網目の細かさはもちろん、その扉の開き方まで選ぶことができます。
虫が入ってこない状態を作るのが大切
家の中で虫を見かけると、どうしても「駆除」することを優先しがちですよね。でも、実際のところ夏の時期には虫が大量発生しているので、いくら駆除してもイタチゴッコです。
殺虫剤というのは、人体に絶対無害と言えるものではありませんし、子供に対しては特に注意が必要です。菌を持っている場合もありますし、子供の口に入ってしまっては大変です。
駆除をする方法もありますが、やはり虫が入ってこない環境を作ることが重要です。結局のところ、虫は家の隙間から入ってくるので、隙間を防ぐことを最初に考えましょう。網戸だけではなく、窓や扉も見直してみるといいかもしれませんね。
虫の入ってきにくい環境を作り、家族だんらん、落ち着いた毎日を過ごしましょうね。