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ホルムアルデヒドゼロ!?空気をキレイにする内装材「Moiss(モイス)」

Moiss(モイス)

内装仕上げで頭をもたげるホルムアルデヒド。そのホルムアルデヒドは、実は素材だけではなく接着剤にも含まれていることをご存知でしょうか。釘という選択肢もありますが、意匠性から接着剤が多用されがちですよね。たとえ内装材が無害でも接着剤が有害であれば、結局空気中に有害物質が飛散してしまいます。

そこで今回紹介するのは釘施工で自然素材の内装材「Moiss(モイス)」です。

そんな「Moiss」の特徴って?

Moissは「バーミュキライト」と呼ばれる粘土鉱物を原料とし、主成分は灰とシリカ(砂)です。自然素材を原料としているので、ホルムアルデヒドを放出せず人体に悪影響はありません。そればかりか空気中に飛散するホルムアルデヒドを吸収して無害な物質に分解します。内装材として使うだけで空気をキレイにしてくれるなんて驚きですね。

私が着目したMoissの強みは次の6つです。

内装Moissのココがすごい

  1. ホルムアルデヒドを含んだ接着剤を使わず、釘打ちしても目立たない
  2. 除湿器・加湿器いらず!?壁に調湿機能
  3. 曲がる、削れる!優れた作業性
  4. 地震・火災に強い
  5. 天然素材だから、廃材は土に還る
  6. 布巾や消しゴムで汚れが落ちる!?メンテナンスが簡単

1. ホルムアルデヒドを含んだ接着剤を使わず、釘打ちしても目立たない

Moissは0.6mmの釘を打ち付けて施工するため、接着剤を使いません。釘で施工する場合は釘頭が見えるため見栄えが心配されますが、Moissの表面には黒い粒が全面にあるため釘頭が目立ちません。ホルムアルデヒドを含む接着剤を使わずに済みます。「無害な内装材を使っているけれど接着剤にホルムアルデヒドが含まれていた…」といった事態は避けられますね。

Moiss(モイス) : 釘頭が目立たない

2. 除湿器・加湿器いらず!?壁に調湿機能

日本古来の壁は土や漆喰で施工され調湿機能がありました。ところが現在はビニールクロスが一般的な上、住宅の気密性が高くなっているので、湿度の調節には除湿器や加湿器が欠かせません。

Moissは有害物質だけでなく湿気の調湿機能をもつため、快適な湿度を保てます。

3. 曲がる、削れる作業性

一般的に内装で使われる石膏ボードは曲面の施工が困難です。しかしMoissはしなやかで簡単に曲げられるので、多様な空間を作り出すことが出来ます。しなやかさを活かして照明やオブジェとしてもOK。

Moiss(モイス) : しなやかで簡単に曲げられる

さらにボードは部分的に削ることもでき、彫刻刀などを使って特殊な模様を施すなど、通常の内装材では難しかった細かいデザインにも対応できます。

Moiss(モイス) : 彫刻刀で削ることが出来る

4. 地震・火災に強い

一般的に構造材は建物を地震や荷重から守り、内装材は建物内部を美しく見せるという、それぞれ別の役割を果たします。木造用耐力壁として構造材の役割も果たします。耐火性にも優れているため安心して使用できます。燃えても煙や有毒ガスを発生しません。

Moiss(モイス) : 燃焼実験比較

5. 天然素材だから、廃材は土に還る

廃材は土に還すことができます。Moissに含まれるけい酸カルシウム水和物は非常に水になじみやすく、植物のけい酸補給に高い効果があります。使用済みのMoissを原料とした肥料が製品化され、農地で実際に使われています。使うときだけでなく使われなくなってからも人と地球に優しい建材。

Moiss(モイス) : リサイクル性

6. 布巾や消しゴムで汚れが落ちる!?メンテナンスが簡単

Moissはビニールクロスのように様々な色や模様があるわけではなく、コンクリート打ち放し仕上げのような明るい灰色だけなので、汚れが目立ちやすいとう難点があります。汚れた場合は、布巾や消しゴム等で消すことが出来るため、その点は安心。

表面は水分を吸収しやすい素材であるため、トイレでは汚れが付きやすいことも。このような場合の対策として、壁にビニールクロスを採用し天井だけにMoissを使うといった併用をおすすめします。

施工事例

住宅はもちろん、病院でも使われているMoiss。以下の事例をご覧ください。和洋問わず様々なシーンに使われています。

住宅の洋室・和室に

病院にも

施工方法

施工方法については公式マニュアルがあります。図解で丁寧に解説されています。

内装Moiss(モイス)の施工マニュアル

製品仕様

規格値 試験方法
標準寸法 (mm) 巾910 ×長1820 × 厚6, 9.5
巾910 ×長2420 × 厚6, 9.5
巾910 ×長2730 × 厚6, 9.5
寸法許容差
(mm)
厚さ 厚6mm : ±0.4 厚9.5mm : ±0.5 JIS A 5430
長さ +0、-2
+0、-2
見掛け密度 (g/㎤) 0.6以上0.9未満 JIS A 5430
曲げ強さ (N/㎟) 10.0以上 JIS A 5430
吸水長さ変化率 (%) 0.15以下 JIS A 5430
熱伝導率 (W/m・K) 0.18以下 JIS A 5430
不燃材料認定 NM-8578 (5mm以上)
NM-0656 (4mm)

価格は厚9.5クリア、木胴縁で8,500円程度。従来工法(石膏ボード + ビニルクロス貼)ではおおよそ3,500円、塗装(下地は石膏ボード)では7,500円程度と比べると高めですね。なおMoissの公式サイトからは製品カタログも出ています。

内装Moiss(モイス)のカタログ

まとめ

素材がバーミュキライトに加え、釘頭が目立ない意匠性がポイントのMoiss。二世帯住宅時のリフォームや、新築時の材料として知っておいて損はないはず。ビニールクロスと比べて値は張りますが、その理屈と性能を知れば手を伸ばす価値はある建材ではないでしょうか。知れば知るほど、選びたくなる建材の世界を垣間見れる建材でした!

この建材のポイント

オススメなのは? 出産を機に新築・二世帯住宅へのリフォームを考える施主
一番の強みは? 有害物質を吸収し、空気をキレイにする!
施工の強みは? 釘頭が目立たないし、簡単に曲がり削れる!
今回ご紹介した建材メーカー
アイカテック建材株式会社
本社 : 〒176-0012 東京都練馬区豊玉北6丁目5番15号 アイカ東京ビル2階
TEL03-5912-0740
FAX03-5912-0750
WEBhttp://www.aica-tech.co.jp/
建材ダイジェスト 編集部

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