施工しやすく、節がない。著名建築家が外壁に使用した「ラワン材」の使い方を比較で解明
この記事でわかること
- ラワン材の特徴と使い方のポイント
- Eurekaがラワン材を外壁に採用した理由
CLASS1 ARCHITECT Vol.26では、設計事務所Eurekaに登場いただき、Eurekaが実際に使用した建材を紹介しています。
CLASS1 ARCHITECT Vol.26には掲載し切れませんでしたが、実はEurekaがもうひとつ、「コストパフォーマンスが良い建材」として紹介した建材がありました。
それが、株式会社 山康商店の「ラワン縁甲板」です。(※)
※山康商店では現在ラワンを扱っていません。山康商店への問い合わせはこちら
合板使用が多い“ラワン材”を外壁に採用したEureka
ラワン縁甲板は、“ラワン材”を使った廊下や壁用の板材です。
Eurekaが設計を担当した、既存住宅にモダンな離れを増設する「感泣亭(かんきゅうてい)」のプロジェクトにて、外壁用の仕上げ板として採用されました。
ラワン材は、建築用としてベニヤ板(ラワン合板)などに使われることが多く、外壁用として使用するのは珍しい木材です。
それではなぜ、Eurekaはラワン材を外壁に使用したのでしょうか。
この記事では、スギやイペなど、他の外壁用木材と比較しながら、ラワンの特徴を見ていきます。
ラワン材の特徴①節がない
まず、Eurekaが注目したのは「節がない」という点です。
「ラワンって節がないんです。例えば杉で節がないものって結構高いのですが、ラワンはグレードにかかわらず節がないので、よく使っています」
Eureka 稲垣氏 |
スギは数ある木材の中でも価格帯が幅広い木材で、数千円~数百万円ほど価格に差があります。特に節がないものは高級品で、価格も高くなる傾向にあります。
一方で、ラワンは価格帯に関わらず節がほとんどありません。「節がない板を使ってすっきり見せたい」というときは、コストパフォーマンス良く採用できる木材です。
ラワン材の特徴②加工しやすい
二点目にEurekaが評価しているのが、「軟らかさ」です。
「ラワンは軟らかい材料なんです。イペとか、ウッドデッキに使われるような南洋材も節がないのですが、価格が高く凄く堅いので、施工も大変です。その点、ラワンは軟らかいので施工しやすい」
Eureka 稲垣氏 |
いわゆる南洋材も節がほとんどない木材ですが、そのような木材は非常に堅いため、切断やビス打ちに時間がかかり、施工の手間がかかります。
一方でラワンは広葉樹でありながらやわらかく、施工がしやすい木材。施工コスト・施工時間の短縮が可能です。
各木材の比重の差
ラワン材使用のポイント
ラワンと、スギ、イペの比較をまとめました。
ラワンは、節がほとんどなく、軟らかいため加工・施工がしやすい木材。Eurekaからも、見た目の良さと施工性が評価されていました。
一方で、ラワンは虫が発生しやすいデメリットがあります。特に屋外で採用する際は、保存処理や防虫処理がされているか注意が必要です。
Eurekaが使用した建材のレビューを公開中
CLASS1 ARCHITECT Vol.26では、Eurekaが実際に使用した建材8選を紹介。建材の使い方や実際に使用したレビューを全文無料公開しています。
屋根材や床材、壁材など、幅広い建材について採用のポイントや理由を語っていますので、素材選びの参考にぜひご覧ください。
今回紹介した建材メーカー
株式会社 山康商店 |