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4種類の住宅向け屋根材を比較:著名建築家が「アスファルトシングル」を選んだ理由がわかる

フリーマガジン「CLASS1 ARCHITECT Vol.09」で紹介した、田島ルーフィング株式会社の屋根材「アスファルトシングル」。シート状の屋根材ならではの納まりの美しさと、デザインの自由度が特徴でした。

アスファルトシングルのレビューを読む

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しかし、アスファルトシングルは国内であまり普及していない屋根材。未知の部分が多く、使用されたことがない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、瓦屋根・スレート屋根・金属屋根など、住宅で使用される3つの屋根材と、アスファルトシングルを比較。アスファルトシングルのメリット・デメリットを押さえる中で、「CLASS1 ARCHITECT Vol.09」で紹介した田島ルーフィング株式会社のアスファルトシングルならではの特徴もわかりやすくご紹介します。

瓦屋根:高い耐久性と断熱性

瓦屋根は日本の伝統的な屋根材。粘土を焼いてつくる瓦(粘土瓦)や、粘土瓦よりも安く、軽量化されたセメントやコンクリートを材料にして作る瓦(セメント瓦・コンクリート瓦)もあります。

瓦屋根のメリットは耐久性。粘土を焼いて作る粘土瓦は、一般的に耐用年数が50年ほどと言われています。火や水に強く、塗装等もいらないため他の屋根材と比べてランニングコストを抑えられます。また、瓦は高い断熱性も特徴。屋根から熱を伝えないため冬は暖かく、夏は涼しい家をつくります。

一方でデメリットは、重量と施工費用。耐久性が高い分重みがある瓦は、使用する建物に十分な強度が求められます。強度を高めようとするれば、建物全体のコストアップにつながります。さらに、台風や突風などで瓦が飛ぶ危険も伴います。

施工費用も高額で、1平方メートルあたりの材工価格が1万円を超えるものもあります。

スレート屋根:コストパフォーマンスが高く人気

スレート屋根は、セメントと粘土を固め、薄い板状に加工した屋根材です。天然石を板状に加工したスレート屋根(天然スレート)もありますが、セメントを用いた人工素材のスレート屋根の方が広く採用されています。

安価で、瓦よりも軽量なスレート屋根。耐震性が高く、新築住宅の屋根材として人気が高まっています。需要が大きいため屋根を施工できる業者の数も豊富です。また、平たい形状に施工したり、波をつけたり、瓦のような形状にしたりと、屋根形状の自由度が高く、カラーバリエーションが多いことも人気の理由です。

一方で、軽量で薄い板状のため、耐久性が落ちるのがデメリット。ひび割れなどの劣化を防ぐために、屋根の定期的なメンテナンスが必要になります。

金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根):加工が容易で施工性が高い

金属屋根のなかでも、日本国内で一般的に使用されている素材がガルバリウム鋼板です。鉄にガルバリウム(アルミ・亜鉛・シリコンの合金)をメッキし、その上に塗装をして仕上げます。メッキを施すことで、金属屋根特有の“錆び”ができにくくなっています。

ガルバリウム鋼板の屋根は薄く軽量なため、耐震性に優れています。また、加工しやすく施工性が高いため、勾配が緩い屋根をはじめ、さまざまな屋根形状に適した施工が可能です。

一方で、熱を通しやすい金属を使用するため断熱性が低いことがデメリット。また、雨粒が屋根に当たる音が響くなど、遮音性の低さも注意したいポイントです。

アスファルトシングル:防水性に優れ、デザインも自由

「田島ルーフィング㈱ シングル勾配屋根用防水システム カタログ」から引用

最後は、「CLASS1 ARCHITECT Vol.09」で紹介したアスファルトシングル。ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面にスレート砂や彩色焼成砂を圧着して製造するシート状の屋根材です。

アスファルトシングルは、シートを接着剤で貼り付けて施工することができます。そのため、平面だけでなく円形、波形などの複雑な形状にも追従でき、防水性も高くなります。また、表面に圧着する「彩色焼成砂」を組み合わせることで、豊富なカラーバリエーションも実現。デザイン性の高さも特徴です。

一方でアスファルトシングルは、日本でのシェア率が低い屋根材。アスファルトシングルに対応できる業者も少なく、施工・メンテナンスを行う業者探しが難しい点がデメリットです。

田島ルーフィング株式会社の「アスファルトシングル」ならではの特徴とは

ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ設計の「TAKARAZUKA HUTS」

「CLASS1 ARCHITECT Vol.09」で紹介した、建築家の前田茂樹氏が「TAKARAZUKA HUTS」で使用したのもアスファルトシングルの屋根材でした。

「TAKARAZUKA HUTS」は、傾斜地に建つ住宅。さまざまな角度から見られることが想定され、どの角度からでも綺麗に見える屋根材が必要でした。そのため、下地に馴染みやすく納まりの良いアスファルトシングルが採用されました。

そして、数あるアスファルトシングルのメーカーの中でも、前田氏が選んだのは田島ルーフィング株式会社のアスファルトシングルです。

田島ルーフィング株式会社のアスファルトシングルは、標準パターンで13ものカラーバリエーションがあります。さらに施工面積が500㎡以上という条件にて、通常単価より割高になりますが、標準パターンに使用している着色砂10色を使用した色のセミオーダーにも対応しています。

また、光触媒効果のある彩色焼成砂を配合した「光触媒シリーズ」を扱っていることも、田島ルーフィングの特長のひとつ。光が当たることで防汚効果を発揮し、他のシングル材と比べて汚れにくくなっています。

屋根を綺麗に見せることが求められた「TAKARAZUKA HUTS」だったからこそ、よりデザイン性の高く汚れが目立たない田島ルーフィング株式会社のアスファルトシングルが採用されたのです。

アプリで建築家のレビューを見てみませんか?

アプリでは、田島ルーフィングの「アスファルトシングル」を詳しく紹介。建築家 前田茂樹氏が、「TAKARAZUKA HUTS」で実際に使用したレビューも併せて掲載しています。

現在アプリでは、「CLASS1 ARCHITECT Vol.09」を無料公開中です。まだご覧になっていない方は、住宅の屋根材選びの参考にぜひご覧ください。

前田茂樹氏によるレビューを読む

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建材ダイジェスト 編集部

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