【いまさら聞けない】サイディングとは?
このような方におすすめの記事です
- そもそも「サイディング」という言葉を聞いたことが無い方
- 外壁のリフォームを検討中の方
読み終えると… (読了時間…7分)
- サイディングが何かわかる
- サイディングの種類がわかる
おはようございます、東です。
最近妻に「外壁ってサイディングだったよね?」なんて声をかけてみると「…サイディング!?サイジング?」といった始末。
建築系の仕事をしていたり、DIYが好きな人はサイディングと聞けば外壁材とすぐ思い浮かぶかもしれませんが、「サイディング」という言葉は意外と専門用語でなかなか分かりません。
そこで今回はサイディングとは何か?いくつか種類があるのか、その各特徴は何なのか?を調べていきます。
サイディングとは、建物外壁に張る仕上げ板材のこと
サイディングというのは建物の外壁に使用する外壁材の一種です。一般的にセメント製や金属製のものを指すことが多いです。
そもそも外壁の施工方法には「湿式(しっしき)」と「乾式(かんしき)」の2種類があり、「湿式」には塗り壁・タイル張りがあり、「乾式」にはサイディングがあります。一定サイズの板を外壁に貼り付けていく方法です。工場で予め成型された板(=「サイディングボード」と呼ばれる)を壁に貼っていくことで外壁が完成します。
壁の広さに合わせて「サイディングボード」をカットし、それぞれのつなぎ目をしっかりと埋めます。そうすることで、板の貼り合わせであっても雨漏りや剥がれを防止することができます。
「塗り壁は表面を塗るもの」「サイディングは板(パネル)をペタペタ貼り合わせていくもの」と覚えると簡単です。
- ポイント その1
- サイディング=建物の外壁に貼る、仕上げ用の板材のこと。
サイディングの特徴は?
サイディングの特徴として、何よりも工事価格が安く済むことが挙げられます。最近の一般住宅で普及している大きな要因も、その工事価格です。サイディングを採用している住宅は全体の7割〜8割にも及ぶそうですよ。
また、工事価格が安くなるだけではなく
- 耐水性に優れている
- 耐天候性に優れている
- 種類・デザインが豊富
- 工場生産なので品質が安定している
といった特長もサイディングが普及した理由です。
一昔前まで主流となっていたモルタル壁(塗り壁)は職人さんが一つ一つ手作業で仕上げていくので時間がかかりますし、経年劣化に伴い表面がヒビ割れするリスクもあります。小学校の時、校舎の外壁に大きなヒビ割れがあったりしませんでしたか?あれは塗壁の経年劣化が原因です。
しかし、サイディングの場合は板を貼り合わせて施工するので施工時間が短縮できますし、塗り壁に比べて特殊な技術が必要ないので工事費用も比較的安くすみます。さらに、耐水性、耐天候性などを考慮して作られているため、塗り壁に比べて経年劣化しにくくなっています。
- ポイント その2
- 一般的に、塗り壁に比べて工事費用は安く済み、経年劣化もしにくい。
サイディングの耐用年数・メンテナンスは?
経年劣化しにくいといっても、「一生ものの壁」というわけではありません。
窯業(ようぎょう)系と呼ばれる一般的なサイディングは、セメント質と繊維質により形成されています。そのため、サイディングの元となる材料には吸水性があるので、防水性の機能を保たせるには表面の塗装が重要になってきます。
つまり、表面の塗膜(塗装の膜)が劣化してしまうと、雨を吸収して劣化してしまう可能性があります。その状態を放置してしまうと、建物自体の構造にまで大きな影響を与えることも…。
この塗膜の耐用年数は一般的に7年〜8年と言われています。サイディングが劣化してくると
- つなぎ目の埋めるシーリングが剥がれる
- サイディングボードが反る
- サイディングボード自体が剥がれる
- チョーキング(触った時に白い粉がつく)
などの症状が現れます。このチョーキングが現れたら表面の塗装が剥がれているサインです。この状態では防水効果が薄くなっているということなので、再塗装などの修繕が必要です。
- ポイント その3
- サイディング表面の塗膜が防水面で重要。
また、窯業系サイディングは蓄熱しやすい性質があるので表面に耐熱処理をしてあげることも重要です。室内を快適な空間に保つためには、外壁のメンテナンスを定期的に行いましょう。
お家のサイディング、一度触ってチェックしてみたほうがいいかもしれませんね。
先日のコーカイ日誌でも新築10年なのに、すでに剥離が始まる窯業系サイディングについて取り上げています。
サイディングの種類はおおきく4つ!
サイディングといっても、種類があります。大きく次の4つに分類できます。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
それぞれの特徴を確認してみましょう。
- ポイント その4
- サイディングはおおきく4種類ある。
1. 窯業系サイディング
引用 : 見積り外壁塗装
引用日 : 2017年7月30日
窯業系サイディングは、セメント質のものと繊維質を混ぜ合わせて作られた板です。最近の住宅で使用されているもののほとんどが、この窯業系サイディングです。
窯業系サイディングはデザインが豊富で、シンプルなものからレンガ風・タイル調・石積み調まで様々なものがあります。おしゃれなラインナップが多いことも、最近の家で使用されている要因になっているでしょう。
さらに、セメント質を混ぜて成型するため地震などの衝撃にも強くなりますし、火にも強い性質を持っています。
最近では汚れにくいコーティングを施したものも販売されています。何年も雨風に晒される建材のためどうしても汚れがちですから、汚れ対策の選択肢も増えてきています。
窯業系サイディングの特徴
- 地震に強い
- 某耐火性に優れる
- デザインが豊富
- 価格帯が比較的安い
2. 金属系サイディング
引用 : 見積り外壁塗装
引用日 : 2017年7月30日
金属系サイディングは、ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの鋼板が使用されたサイディングです。
基材となる材料が金属なので、窯業系サイディングに比べて長期間メンテナンスが必要なくなります。元々の金属が水を吸わないので、浸水する心配もありません。耐天候性もあり気温変化の激しい寒冷地などで使用するのがオススメです。
また、金属製と言われると無機質で冷たい印象を受けるかもしれません。しかし最近では金属加工の技術が進歩したことで、金属系サイディングでも様々なデザインが選べるようになりました。窯業系のようにレンガ風やタイル調のものも販売されています。
しかし、やはり金属を使用しているので価格が高くなってしまう傾向にあります。
金属系サイディングの特徴
- 長期間メンテナンスフリー
- 金属なので防水性が高い
- 耐天候性に優れている
- 価格が高い
3. 木質系サイディング
引用 : 高広木材株式会社
引用日 : 2017年7月30日
木質系サイディングというのは、その名の通り木を材料としたサイディングです。天然の木に塗装をして仕上げています。最近では天然木にこだわったお家も増えていますよね。こんな木目の外壁で統一するのもおしゃれかもしれません。
本物の木を使用したサイディングなので、木全てが同じデザインになることはありませんし、耐熱性能に優れています。
しかし、天然木であるからこそ水に弱いのがデメリットです。基材に水分を含んだ状態で放置してしまうと、木が腐ってしまうこともあります。そのため、こまめな再塗装などメンテナンスが必要です。しかも、天然の木を使用しているので、窯業系サイディングなどと比較すると価格も高くなります。
それでも「外壁もおしゃれに!木の温かみを前面に出したい!」という方にはオススメできるサイディングですね。
木質系サイディングの特徴
- 木の温かみある外壁に
- 本物の木で特徴的なデザイン
- 水分を含むと腐る可能性がある
- 価格は高い
4. 樹脂系サイディング
引用 : IEsaku
引用日 : 2017年7月30日
最後に紹介するのが樹脂系サイディング。
日本では窯業系サイディングがメジャーなので、樹脂系のサイディングはそこまで目にしないかもしれません。しかし、アメリカでは外壁材全体の50%を超えるシェアを誇る外壁材です。
樹脂成型されているので劣化しにくく、塩害や凍害などにも強く耐天候性に優れています。また、シーリングが使用されていないので目地の補修がいらないというのも大きな利点ですね。窯業系サイディングはどうしても経年劣化でシーリングが剥がれがちです。
さらに、窯業系サイディングの約10分の1の軽さなので、施工もしやすく、壁自体を軽くできるので家への負担も軽減できます。また、現在の外壁に上から施工することもできるそうですよ。
しかし、全体的に軽く・薄く設計されているので遮音性は他のものに劣ります。
樹脂系サイディングの特徴
- 樹脂成型されているので耐天候性に優れている
- 目地の補修がいらない
- 窯業系に比べて軽い
- 遮音性は劣る
補足 : 瓦とおなじ焼き物のサイディングもあります
まとめ : サイディングには4つある。工期は塗り壁よりも短いため工事価格は安くなる可能性高い
サイディングには4種類あって、価格・デザイン性などに優れたものだとわかりました。工事費用が比較的安く済むのも嬉しい点です。
ただメンテナンス性には各4つに一長一短あり、塗り壁といった湿式工法は一部補修で済むものの、サイディングの場合全面張り替えになることもあります。
デザイン性はもちろんですけれども、後々のメンテナンスも考慮して選択しましょう。
▼汚れにくいサイディング製品をまとめた記事もありますので、どうぞ