漆喰と珪藻土のハイブリッド材!?エターナルアース「ソフトしっくい」
こんにちは、Klennyです。
京都では連日35℃超えの暑い日が続いてますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
高度成長期以降日常で使用される化学物質は激増しています。住宅事情も変化し気密性・断熱性といった性能が向上する一方、建材から発生する化学物質を屋外へ逃がす「すきま風」が入る余地も減っています。
結果、健康被害が1980年代頃から報告されるようになりました。
具体的には目がチカチカする・涙が出る・鼻水が出る・咳が出る・吐き気・めまい・頭痛がするといった症状が出ており、原因はホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC)によるもの。特に合板と壁紙に含まれる接着剤に原因があると言われます。実際はそれだけでなく、家具・カーテン・芳香剤・消臭剤・カーペット・畳・衣類・ストーブ等にもその原因があると言われています。そこで平成15年(2002年)には建築基準法の改正され、下記の規制がもたらされました。
シックハウス対策のための規制
- 内装仕上げ材の制限(F☆☆☆☆などの基準の導入)
- 換気設備の義務付け(24時間換気)
- 天井裏などから居室へホルムアルデヒドが流入しない対策を施すこと
- 有機リン系のシロアリ駆除剤の使用禁止
引用元 : 改正建築基準法 – 国土交通省 (PDF)
引用日 : 2016年8月3日
せっかく購入した住宅が原因で健康を害しては本末転倒ですよね。そういう文脈から「自然素材の仕上げ材」や「木材も国内産」といったナチュラル志向が芽生えてきました。こうした中、かつてよく使われた漆喰仕上げも再び注目され始めました。
エターナルアースの「ソフトしっくい」
今回ご紹介するのは、九州産の漆喰を使い昔ながらの良さを現代風にアレンジした「ソフトしっくい」。珪藻土と漆喰のハイブリッド型で、柔らかい表情が特徴となっています。
施工方法
引用元 : 製品情報 ソフトしっくい| – エターナルアース
引用日 : 2016年8月3日
プラスターボードにパテしごきの上、目地部分はファイバーテープで処理した後に1~1.5mmと薄く塗ることを推奨しています。砂あり品と砂無し品がありますが、砂が少し混ざることで、よりマットな表情を出すことが可能です。実際にコテで塗ってみると垂れてこないので非常に塗りやすいのですが、漆喰の強アルカリ性の特徴も帯びているためプロ向けの商材です。
性能
引用元 : 製品情報 ソフトしっくい| – エターナルアース
引用日 : 2016年8月3日
HPで確認したところシックハウス症候群の原因とも言える、国交省が定める必須測定物質(5物質)の測定結果が載せられています。いずれも基準値を大幅に下回っていました。
引用元 : 製品情報 ソフトしっくい| – エターナルアース
引用日 : 2016年8月3日
さらに興味深かったのが、こちらのアンモニア消臭実験の結果。比較素材(ブランク試験体)は1時間経っても20%しか減少しなかったのに対して、ソフトしっくいは99%の減少効果を示しています。トイレからリビングの壁まで幅広く活躍が期待でそうです。また新築住宅に充満する有害物質の除去にも効果を発揮するため、新築時にも有効ですね。
価格
気になるお値段ですが、定価で下記のとおりです。
ソフトしっくい(砂なし) | ¥19,500円/20kg(税別) |
ソフトしっくい(砂あり) | ¥19,800円/22kg(税別) |
※全6色で上記はホワイトの場合
まとめ
目に見えない有害物質の発生有無も建材選びでは重要な判断基準です。住宅に根付く「空気」に気を配ることは、実は意匠性よりも優先度が高いのではないでしょうか。
私が働き始めた頃、昔ながらの家では土壁を何層にも塗り分けて数年をかけて十分に乾燥させていました。そうしてヒビを発生させた後、20mmほど漆喰を塗るといった施工を行って仕上げてきましたが、最近はそこまで施工期間を贅沢にとることができません。職人不足も深刻です。そういう意味で昔ながらの壁材は非常に理にかなっていたといえます。今回ご紹介した「ソフトしっくい」もそうした精神を根底で受け継いだ建材だと感じます。
以上、Klennyでした!
この建材のポイント
オススメなのは? | 天然素材を使った、健康住宅に住みたい人 |
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一番の強みは? | 天然素材にこだわりながら、現在風にアレンジした漆喰である |
施工の強みは? | 垂れてこないので非常に塗りやすい |