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【STONE:#02】石にも個性がある。石材3種類の特色をご覧あれ。

石材となる「石」の種類を特集します。

建築に使用される石の種類と生産地は?

トルコのカッパドキア

トルコの世界遺産カッパドキア。岩石を削り出して住んでいた。

何千年もの間、人類は『石』と深いかかわりを持って生活を営んできたことは前回もお伝えした通りですが、今回は『石』の種類についてまずは学んでみたいと思います。そして、それらは特徴によって適材適所の役割を与えられて『石材』として活躍しているわけで、『石材』の種類と生産地についても整理してみようと思います。

まずは、「石」の種類ですが、学術的な分類によると以下の3種類に分類できます。

  1. 火成岩(かせいがん) 火山の爆発等により噴出したマグマが冷えて固まったもの
  2. 堆積岩(たいせきがん)土、泥、火山灰などが堆積して固まったもの
  3. 変成岩(へんせいがん)火成岩や堆積岩が圧力や温度の影響で特性が変化したもの

地球の46億年というとてつもなく長い歴史の中で火山の爆発や気候的な変動、さらに地殻変動などの大きな変化によっていろいろな『石』が生成されているわけです。スケールが大きすぎるのでイメージしにくいですが、途方もない長い時間が『石』には刻まれているわけです。そう考えるとなにか少しロマンチックな気分になったりもします。

それはさておき、大きく分けると3種類に分類できる『石』ですが、それこそ地球上あらゆる場所に分布しています。それは地球の成り立ちを考えれば当たり前なのですが、自分の立っている場所の近くにそんな歴史が眠っているとは思わないで暮らしているのが普通かもしれません。

『石材』として産出され加工されていく『石』には産出する場所そしてその特徴などで名前が付けられています。3つのジャンルから代表的なものを紹介します。

『御影石』は日本の『石材』の代表選手です。

空の台座

新宿にある「空の台座」。御影石で作られている。

日本の『石材』の中で最も有名なものは『御影石』といってもいいくらい広く使われています。『御影石』は火成岩であり、地下のマグマが冷えて固まったものですから、結晶質の特徴があり美しい斑紋を持っています。地上に露出していたり、地殻変動などで比較的産出しやすい場所にあるものは古くから建築材料として使用されてきました。日本では兵庫県の神戸市御影地方で産出される『御影石』と呼ばれる花崗岩が重宝され広く広まったために、『御影石』という名称がいわゆる商品名となったわけです。他の地域で生産される『石』にも『○○御影』などと名付けられているのはそういった理由です。日本は火山の多い環境ということもあり多くの『御影石』の産地が数多く存在していますが、現在ではその産出量も減少し海外からの輸入に頼っている状況です。

日本で広く使われてきた『凝灰岩』、なかでも『大谷石』は有名です。

凝灰岩』は噴出した火山灰などが水中や陸上で堆積して固まった『石』で、堆積岩のジャンルに分類される石です。日本では特に『大谷石』と呼ばれる栃木県で産出される凝灰岩が有名で、広く建築物に使用されてきました。その特徴は、熱に強いことと採掘と加工が容易なことが挙げられます、反面、多孔質なために水分を吸収しやすく凍結に弱いという特徴を持っています。熱に強いという特徴から、石倉の外壁に使用されたり、防火の役割を持った石塀などに使用されてきました。その性質上、水に濡れると水分を吸収するため美しい緑色に変化するため日本的な建築シーンの中ではいろいろな場面で風情のある石として高く評価されています。

福井県で産出されていた『笏谷石』もこの凝灰岩の一種で、同様に広く建築資材として使用されてきました。

『大理石』は世界中で『石材』の王様のような存在です。

大理石の廊下

『大理石』といえば美しい模様と光沢が特徴ですが、分類でいえば変成岩のジャンルに属する『石』です。石灰岩がマグマなどの熱を受けて再結晶し変成したものです。その名前の由来は大理国(現在の中国の一部)で産出されたことに由来するもので、同様な変成岩が『石材』として広く使用されていく中で産地を超えて『大理石』と呼ばれるようになりました。

パルテノン神殿
大理石の歴史は古くギリシャのパルテノン神殿やローマのコロッセオなどにも使用されています。現在では、その性質上、酸性雨などの影響を受けやすいことなどから内装材として人気が高く、特にイタリア産の『大理石』は高級内装材として評価されています。また、日本の国産の大理石の産地も広く分布しており、国会議事堂には各産地の大理石が内装材として使用されています。

現在でも世界中で『石』は採掘され加工され世界中の建築などで使用されています。産地ごとに石の特徴が違ったりするものですが、採掘のしやすさや運搬にかかる経費などで流通の状況は時代ごとに変化しています。日本の国内にはいくつもの『石材』の産地が存在しますが、コスト面や埋蔵量などの問題で採掘を止めている産地が増えてきているのも現状です。一方で新しい『石』の発掘と加工が試みられてもいます。

これからの建築材料としての『石』は培われた技術と新しい『石』との出会いでさらに発展していくと思われます。悠久の歴史を刻んできた『石』が新しい時代にどのような形でどのような歴史を刻んでいくのか、楽しみでもあります。

3話目では日本的な建築と『石』の関係についてお伝えします。

まとめ

  • 火成岩は結晶質のため、見た目が美しい。「御影石」が有名。
  • 凝灰岩は熱に強いので、防火の役割を果たした。「大谷石」や「笏谷石」がある。
  • 大理石は変成岩の代表的な石であり、国内外の様々な建築に使われている。
DOUBOKU

DOUBOKUライター

コピーライターとして主に不動産関係や建築関係のメディア系のライティングに携わってきました。個人的には江戸時代以前の建築物が好きで昔ながらの大工さんや職人さんの技に惚れ込んでいます。建築材料の進化は快適性能を大いに向上させましたが、少し寂しい気もしたりしています。そんなレトロな視点で今の時代を切り取っていきたいと日々想い続けています。写真は恥ずかしいのでうちのワンコでご勘弁を。
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