「稚内メソポア珪藻土」の調湿機能がほかの珪藻土より優れている理由とは?
通常珪藻土は泥岩となり、それを粉末にしたものが塗り壁材として利用されています。採れる土地により成り立ちが違うため当然性能も違ってきます。そんな珪藻土のなかでも湿度調整機能に秀でているのが稚内地方の珪藻土で、それを70%配合した「稚内メソポア珪藻土」があります。
稚内メソポア珪藻土|高い調湿性能を持つ塗り壁材 | 手の物語
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使われているのがメソポアの稚内珪藻土
珪藻土とは、そもそも珪藻(けいそう)というプランクトンが化石になった土です。通常は泥岩となりますが、稚内珪藻土は地圧・地熱が加わり硬く押し固められて形成される硬質岩石です。この泥岩と硬質岩石の違いの点で、調湿機能に優位点があります。
また珪藻土には表面に無数の孔(小さい穴)が空いており、その孔に湿気を取り込むことで調湿します。稚内珪藻土は他の珪藻土と比べ、3~6倍の吸放湿性能を持っています。その理由は孔の大きさが一般的な珪藻土の孔よりも「ちょうどよい」から。一般的な珪藻土の孔は通常50ナノメーター以上ですが、稚内珪藻土は5ナノメーターから50ナノメーターの大きさになっています。大きい穴は穴が大きすぎるため吸湿機能が弱まる一方で、大き過ぎず小さ過ぎないちょうどいいサイズは吸放湿機能が働きやすいのです。ちなみに除湿効果のある備長炭は2ナノメーター以下の孔のみで、湿気を吸うけれど放出はしてくれません。穴が小さすぎるため、吸湿はしても放湿はしない、というわけですね。
ちなみに1.5mmの塗り厚でも表面積は1gあたり120〜150㎡になり、ビーチバレーコートの大きさ(128㎡)とほぼ同じです。
珪藻土70%配合で、残り30%も自然素材のみ
稚内珪藻土が70%配合で、繋ぎには石灰・海藻の粉糊・麻スサが使われています。左官職人とさまざまな石灰を試し、一番よいものとして栃木県葛生町を選んだとのこと。
糊には海藻100%の粉糊を、明治30年以降作り続けている工場を採用。こちらは原料の海藻です。
麻スサを細く短くして使うことで、土の収縮を抑え繋ぎます。稚内珪藻土・石灰・海藻の粉糊・麻スサの4つの自然素材だけを使っています。
ラインナップ
カラーは自然色のみのラインナップとなり、色味はこんな感じです。
※画面の表示なので、実際の色と少し異なります。
施工例
実際に施工されるとこうなります。
プラン : 趙 海光 設計・施工 : 建築工房アシストプラスアルファ有限会社
広い面積に施工すると、それだけ調湿効果も高まります。
設計 : 村松 篤 施工 : 株式会社水﨑建築
施工の注意点
材料に石灰が含まれているので、室温が低いと白華の可能性があります。暖房などを使い室温を上げて施工しましょう。また水引きが早いので、左官屋さんの経験や工夫が活きる材料です。
WEB購入できる
こちらのオンラインショップから8kg入りを13,800円(税別)で買え、およそ1週間で届きます。8kgで1.5mm厚だと、8〜10㎡塗れます。
まとめ
一口に珪藻土と言っても違いがあったんですね。「稚内メソポア珪藻土」に高い調湿効果があるのは、メソポアというちょうどいい大きさの孔が空いているからです。この壁材を使ってジメジメした部屋・乾燥しすぎな部屋からオサラバです。
この建材のポイント
オススメなのは? | エアコンの風がニガテで、長時間エアコンを使いたくない人 |
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一番の強みは? | 調湿効果の高い稚内珪藻土を70%使っている |
施工の強みは? | 水引きが非常に早く、左官屋さんの経験や工夫が活きる材料 |