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「AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」を比較!あなたに合っているのは?

  • 『「AJスカイメッシュ(ブラック)」や「クリアネット」について、もっと詳しい情報があったら良いのに…』
  • 『「AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」のどちらを購入しようか迷っている…』

糸の細さと、網戸越しの視界の良さが売りの二つの網戸ネット「AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」。今回は、この2つの商品を比較する。

※ 今回の記事ではアルファベット順に、「AJスカイメッシュ(ブラック)」「クリアネット」の並びにしている。

こんな方におすすめ

  • AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」との比較でどちらを購入するか決めたい
  • AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」の実際の使用感を写真で見てみたい

この記事を読むと…

  • AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」の性能や特徴を実際に写真で見ることで、より詳しく、わかりやすく知ることができる
  • AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」はどちらが自分に合っているか判断できる

AJスカイメッシュ(ブラック)」「クリアネット」の仕様を比較

今回比較する網は、エイ・ジェイ・テックス株式会社の「AJスカイメッシュ(ブラック)」とYKKAPの「クリアネット」。まずはそれぞれの基本情報から見ていく。

AJスカイメッシュ(ブラック)

メーカー エイ・ジェイ・テックス株式会社
メッシュ
(1インチあたりの縦糸・横糸の本数)
50メッシュ
(縦104メッシュ×横50メッシュ)
ブラック
素材 ポリエステル
開口率 約70%

※「開口率」「メッシュ」「素材」はメーカー聞き取りによるもの。

従来の「AJスカイメッシュ(ホワイト)」は80メッシュの目の細かさが特徴だった。新しく開発された「AJスカイメッシュ(ブラック)」は、ややメッシュ数を抑え、通気性により配慮したものとなっている。

従来の「AJスカイメッシュ(ホワイト)」と違って縦糸と横糸が融着しており、また網目の形も、正方形ではなく長方形になっている。より目ズレのしにくい仕様である。

肉眼で観察した感じでは、「クリアネット」よりもこちらの「AJスカイメッシュ(ブラック)」方が網の糸が細い。

商品に触ってみて…
従来の「AJスカイメッシュ(ホワイト)」は特に軟らかくフニャフニャとした感触だったが、この「AJスカイメッシュ(ブラック)」は多少硬くしっかりとしている感触がある。網戸として張る際にしわが寄りにくく、より張りやすくなっている印象を持った。

クリアネット

メーカー YKKAP
メッシュ
(1インチあたりの縦糸・横糸の本数)
24メッシュ
(縦24メッシュ×横24メッシュ)
ブラック
素材 ポリプロピレン
開口率
(網全体に対する空洞部分の割合)
74%

※「開口率」「メッシュ」「素材」の情報はメーカーのホームページより引用。「サイズ」については、製品付属の説明書内の記載を参考にした。

クリアネット」の特徴は、織り込まれている網が細いこと。その網の糸は、YKKAPの従来品「ブラックネット」の約6割の細さになっている。それにより、開口率が上がり風を多く取り込む「通風性」、細かい網目による「防虫性」のメリットが得られるようになった。

その中でも何より特長となっているのは、商品名にもかかる「眺望性」、つまり、網戸越しの景色の眺めであると言えよう。網目の細さと美しい黒色の糸が、「クリアネット」の優れた「眺望性」を実現している。

商品に触ってみて…
糸が細いためか、一般的な網戸と比べて軟らかい。また、糸が融着されているので、切り口から出ている糸を引っ張ってもほつれないことが触って分かった。切断面が綺麗に見え、網目がよれることも無いだろう。

仕様の比較をまとめた

商品名 AJスカイメッシュ(ブラック) クリアネット
メーカー エイ・ジェイ・テックス株式会社 YKKAP
メッシュ
(1インチあたりの縦糸・横糸の本数)
50メッシュ
(縦104メッシュ×横50メッシュ)
24メッシュ
(縦24メッシュ×横24メッシュ)
ブラック ブラック
素材 ポリエステル ポリプロピレン
開口率
(網全体に対する空洞部分の割合)
約70% 74%

AJスカイメッシュ(ブラック)」と「クリアネット」の性能比較表

今回「AJスカイメッシュ(ブラック)」(以下、「AJスカイメッシュ」と表記する)と「クリアネット」の比較を行うにあたり、繊維製品の試験センターである「日本繊維製品品質技術センター」と自社にて性能比較を行った。結果が下の表である。

※「日本繊維製品品質技術センター」とは、繊維製品等の試験・検査及び技術の指導を行う第三者機関。経験豊富な専門家による試験を行う信頼性の担保された組織であることから、今回の性能比較を依頼した。

計測場所 日本繊維製品品質技術センター 自社
比較項目 引張強さ 伸び率 遮光率 網目の大きさ
たて/よこ(N) たて/よこ(N) % たて/よこ(mm)
AJスカイメッシュ
50メッシュ(黒)
127/56.3 17.6/21.7 29.2 0.46/0.18
クリアネット
24メッシュ(黒)
181/245 40.4/40.7 23.4 0.98/0.96
網戸なし 0

引張強さ/伸び率

数値を見ると、変形に対する強度としてはYKKAPのクリアネットがより強いと言える。「クリアネット」よりも糸が細い「AJスカイメッシュ」は、横に引っ張られる力に弱いというデータが出た。「クリアネット」よりもさらに糸が細くなっているためだ。

遮光率

AJスカイメッシュ」がより光を遮る、という結果が出ている。夏の暑い日差しをより遮る方が良い、という方には「AJスカイメッシュ」、より室内が明るく感じられる方が良い、という方には「クリアネット」が合っている。

網目の大きさ

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の網目の大きさ 「クリアネット」の網目の大きさ

AJスカイメッシュ」の網目の大きさは、「クリアネット」の約6分の1のサイズだった。「AJスカイメッシュ」はより小さな虫を防ぐことができそうだ。

これらの比較結果を参考にしつつ、数字では見えない「実際の使用感」を検証するため、それぞれの製品のサンプルを使用した比較実験を行った。

AJスカイメッシュ」と「クリアネット」を使って比較

今回記事を制作するにあたり、それぞれの商品を実際に用意した。下の画像は、比較用に用意した手作り網戸。網戸の枠がわかりやすいよう、柄入りのテープで装飾している。

「AJスカイメッシュ」「クリアネット」商品画像

比較する7つの項目

  • 通気性
  • 網の見え方
  • 水の通しやすさ
  • 強度
  • 防汚性
  • 軟らかさ
  • 切りやすさ

通気性

網戸で気になるのはやはり風通し。まずは網の通気性を比較する。扇風機で風を起こし、網戸にティッシュを貼り付け、ティッシュのなびき方を見て測定した。結果は以下の画像の通り。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の通気性実験 「クリアネット」の通気性実験

実験の結果、「クリアネット」はよりティッシュが大きくなびいた。「AJスカイメッシュ」も風を通していたが、「クリアネット」ほどの風は通していなかった。より室内に風を入れてくれるのは「クリアネット」だが、「AJスカイメッシュ」を通すことでそよそよとした「優しい風」を室内に取り入れられる

網の見え方

次に網の見え方の比較。網の色によって景色の見え方も随分と変わり、これは数字では表せないものである。今回実際に外に出て、網越しの景色を撮影してみた。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」越しの景色の見え方(1) 「クリアネット」越しの景色の見え方(1)

どちらも非常にスッキリとした景色を見せてくれる。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」越しの景色の見え方(2)接写 「クリアネット」越しの景色の見え方(2)接写

網戸に近づいた景色はどうだろうか。写真を見ると、「クリアネット」は、より黒色の糸が視界を遮っていることがわかる。「AJスカイメッシュ」は近づいても「網戸がある」とわかりにくいほどである。

水の通しやすさ

雨水が網戸を通過して、室内が雨で濡れてしまった…という経験はないだろうか。網戸は風だけでなく、水の通しやすさも気になるはず。霧吹きを使って、網戸に水をかけてみた。水滴の付き方を見てみよう。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の水の通しやすさ実験(1) 「クリアネット」の水の通しやすさ実験(1)
「AJスカイメッシュ」の水の通しやすさ実験(2) 「クリアネット」の水の通しやすさ実験(2)

写真からわかるように、「AJスカイメッシュ」がより水滴を通さず受け止めていることがわかる。縦糸が1インチあたり104本入った細かな密度がこれを可能にしている。一方で「クリアネット」は「AJスカイメッシュ」ほど水滴を拾っていない。開口率を大きくし、通気性を向上させた結果と言える。

強度

次に、両製品の強度を検証。カッターで同程度の力を入れてキズを付け、キズの付き方を見た。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の強度実験 「クリアネット」の強度実験

AJスカイメッシュ」にも「クリアネット」にもキズが付き、どちらも一部カッターで破れる結果になった。両者を比較すると、「AJスカイメッシュ」の方がより破れる箇所が多くなっていた。網の糸1本1本が「クリアネット」の方が太くなっているためか、カッターに対する強度はクリアネットの方が高かった

防汚性

網戸を張る上での心配事のひとつが、網戸の汚れやすさ、手入れ・掃除のしやすさ。長く清潔に使いたいが、面倒な手入れはしたくない、という方も多いだろう。そこで、網戸の防汚性を検証するべく、それぞれの網戸に小麦粉を振りかけて、汚れの付き方を観察した。

拭き取り後に目視で確認したところ、見た目には大差なかった。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の防汚性実験(3) 「クリアネット」の防汚性実験(3)

しかし、顕微鏡で確認するとAJスカイメッシュの方が、小麦粉の付着量が少なかった。(目視確認による。)チリやホコリなどの汚れに関しては、「AJスカイメッシュ」の方が汚れが付きにくいと言える。

軟らかさ

網の軟らかさ・伸びやすさは、特にご自分で網を張り替える際、張り替えやすさに繋がる大事なポイント。網が軟らかすぎると、網を張る際にハリの強さを均一にするのが難しくなる。一方で、網が硬すぎると網をローラーで挿し込む際に力が必要になり、張替えが難しくなる。

AJスカイメッシュ」と「クリアネット」ではどうか。サンプルを実際に曲げたり伸ばしたりして、感触を比較した。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の軟らかさ実験(1) 「クリアネット」の軟らかさ実験(1)
「AJスカイメッシュ」の軟らかさ実験(2) 「クリアネット」の軟らかさ実験(2)

どちらも軟らかく、曲げるために力も要らない。

また、「AJスカイメッシュ」「クリアネット」の両方が、縦糸と横糸を融着させているためか、縦・横・斜めに引っ張るもあまり形状は変わらなかった。網目がずれたり、よれたりする心配も少ない

切りやすさ

カットのしやすさも、DIYでは重要なポイント。実際に網サンプルをカットして、力加減やほつれなどを比較した。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の切りやすさの実験 「クリアネット」の切りやすさの実験

クリアネット」の方がより「切っている」感触はあったが、どちらも通常より糸が細くなっているためか、非常に少ない力で切断できた。ハサミ・カッターのどちらを使用してもストレスなく裁断することができる。

AJスカイメッシュ クリアネット
「AJスカイメッシュ」の切断面 「クリアネット」の切断面

両製品の特徴である「縦糸と横糸の融着」によって、切断面からのほつれの心配も無い

比較結果のまとめ

この比較結果を簡単にまとめたものがこちら。どちらの網にも個性が出る結果となった。

比較項目 比較結果
通気性
  • より室内に風を入れてくれるのは「クリアネット」。
  • AJスカイメッシュ」はそよそよとした「優しい風」
網の見え方
  • どちらも網戸越しの景色をクリアに見せてくれる。
  • 網戸に近づくと、「クリアネット」はより黒色の糸が視界を遮るように見える。
水の通しやすさ
  • AJスカイメッシュ」がより水滴を通さず受け止めている
強度
  • カッターに対する強度はクリアネットの方が高い
防汚性
  • チリやホコリなどの汚れに関しては、「AJスカイメッシュの方が汚れが付きにくい
軟らかさ
  • どちらも軟らかく、曲げるための力も必要ない。
切りやすさ
  • どちらも非常に少ない力で切断できる。

あなたはどちら?「AJスカイメッシュ」と「クリアネット」の選び方

今回は、眺望性を重視した網である「AJスカイメッシュ」と「クリアネット」の比較を行った。どちらにも、その商品ならではの特徴を見ることができた。

今回の比較結果を基にした「この方におすすめ」というまとめが下の表になる。張替え網を選ぶうえでの参考にどうぞ。自分に最適な網で、夏を快適に乗り切ろう。

AJスカイメッシュ
  • より細かい網目で確実に防虫がしたい方
  • 夏の暑い日差しを遮りたい
  • 室外の気温変化から室内を守りたい
  • 水滴から室内をガードしたい
  • 汚れにくい網戸を使いたい
クリアネット
  • より強度のある網を使いたい
  • より室内を明るく感じたい
  • より風通しの良い網が欲しい

※ご紹介した性能は主観的な部分も多く、実際のご利用時の感想とは異なる場合がある。各製品のご利用にあたっては、製品付属の取扱説明書、またはメーカーwebページなどをよくご確認の上ご使用いただきたい。

建材ダイジェスト 編集部

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