使い分けできる遮光フィルム!?凸版印刷「LC MAGIC」を取材してきた
これから夏にかけて日差しが厳しくなる中、窓の遮熱・遮光対策は重要ですよね。
遮光シートや遮光フィルムは簡単にできる対策ですが一度貼ったら貼りっぱなしになりがちで、夏はよくても冬の日差しまでカットしちゃうことも…。
そんななか、今回スイッチひとつで透過率を自由に変更できる近未来のフィルムを見つけたのでご紹介したいと思います。
つまみスイッチで少しずつ透過率を変えられる
「LC MAGIC」は電圧(12~60V)の変化によって透明↔不透明を微調しながら透過率を変えられる液晶調光フィルム。剥離紙(はくりし)をはがせば糊がついており、ガラスやアクリル板にも貼り付けられます。
カットや曲げ・穴あけ加工もでき、まるでパソコンモニターの反射防止フィルムを貼る感覚でかんたんに施工できます。サイズは1200mm幅でのロール出荷が可能で、今後1500mm幅まで広げる予定。
実際に動画を撮ってきました
さっそく動画でみてみましょう。
①透明→不透明
まずは透明→不透明のパターンです。ちょっと画面には映っていないのですが、実際には手元でつまみをゆっくり回しながら調整しています。徐々に不透明になっていくことがわかりますでしょうか。透過率は1%~80%まで変化します(糊含む)。
②不透明→透明
次は反対に不透明→透明のパターンです。白濁のフィルムがすっきりとした透明になっていく様子がわかります。
③応用パターンのスリット
タッチパネル形式でスリットのように一部一部の透過率を変更することもできます。しばらくタッチし続けて一気に全面を切り替えることも可能。LC MAGICの上からタッチセンサーを重ね、スマホと同じ原理で実現しています。
世界初 : 電源ONで不透明
従来では
- 電源ON→透明
- 電源OFF→不透明
でした(ノーマルモード)。この場合のデメリットとして、停電・アクシデントで電源が落ちた場合に不透明になってしまい視界を確保できない点がありました。
一方今回では、
- 電源ON→不透明
- 電源OFF→透明
の「リバースモード」の開発に成功。これにより電源が落ちても視界を安全に確保できるようになり使用用途の可能性を広げることができています。例えば輸送機関係(飛行機、車、電車といった窓)。電源が断たれても透明であってほしい、というマストなニーズに応えることが可能になっています。
実際の施工用途は?
施工用途には大きく6つほどあります。
サイネージ広告のスクリーン代わりにも
ショーウインドウや店舗の窓にLC MAGICを貼ってプロジェクターをかざせば、サイネージ広告のスクリーン代わりにもなります。透過率によって、写り方を演出できる点が嬉しいですね~。上記写真の透過率が低い左の場合(不透明)は濃く映り、透過率が高い右の場合(透明)は薄く写っていることがわかりますでしょうか?(プロジェクターの設定は一緒)。同じ映像でも雰囲気を変えて楽しむこともできそうですね。
人が既に集まっていてしっかり見てほしい場合は左パターン、反対に「なにか、うっすら写ってるなぁ」とあえて注目を集めたい場合は右パターンもアリかもしれませんね。
実際にLC MAGICがどんな風に貼られているのか近づいてみましたが、厚みが約0.1mmだったので見えませんでした。ちなみに左側面に貼られています。
この薄さを利用し、合わせガラスの中間膜に貼ることもできます。ちなみにレクサスの窓ガラスは合わせガラスだそうで、もし採用されれば防犯+遮光+αとなる窓ガラスも創れそうです。合わせガラスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
LC MAGICなら季節・タイミングに応じた使い分けできそうですね~。
将来スマートビルディングといった近未来の建物、IOT関連機器への応用も想像できます。
今年(2017年度)の前半期より量産を開始するそうで、一般発売はまだ未定とのことですが、22世紀のホームセンターに並ぶ時代もやってくるかもしれませんね。
公式動画もわかりやすいので、ぜひどうぞ。
調光フィルム「LC MAGIC」 | 凸版印刷エレクトロニクス
http://www.toppan.co.jp/electronics/new_products/lc_magic/